大阪公立大学など、熱中症リスクの予測アプリ開発 ニュース

大阪公立大学など、熱中症リスクの予測アプリ開発

大阪公立大学とスロベニアのヨージェフ・ステファン研究所の研究チームは7月31日、熱中症を未然に防ぐためのスマートフォン用アプリケーション「Heat-Health(ヒート・ヘルス)」を開発した。研究結果は国際科学誌「Applied Sciences」に掲載された。

ヒート・ヘルスは周囲の気温や湿度などの環境条件、身長や体重などの身体情報、活動の負荷や継続時間などの活動内容を組み合わせ、利用者の深部体温を予測する仕組みだ。深部体温は体の中心部の温度のことで、脳や臓器を守るため、37度前後に保たれている。

深部体温は熱中症と関連が深い。深部体温が上昇すると、頭痛や倦怠感などの軽度症状だけでなく、けいれんや意識障害などの重度症状を引き起こす可能性がある。

研究チームは37名を対象に、さまざまな活動中の深部体温を計測した。事前に算出した予測データと比較し、予測の精度を高めた。結果、90%以上の精度での予測に成功した。

個人の熱中症リスクを正確に把握できれば、適切な予防策を取ることが可能となる。今後は熱中症予防策の有効性を検証する予定だという。研究はスロベニア共和国国防省の助成を受けて行われた。

過去最も暑い7月に

総務省消防庁の統計によると、7月24日からの1週間に熱中症で搬送された人は全国で1万1765人にのぼり、今年最多となった。東京都心の7月の平均気温は28.7度と過去最高を更新。全国でも北日本を中心に20の地点で過去最高を記録した。

熱中症予防には適度な休息と十分な水分補給が欠かせない。気象庁は地域別に熱中症警戒アラートを発表し、熱中症対策を呼びかけている。

【関連リンク】

・ユーザーごとの熱中症リスクを予測できるスマホアプリ。大阪公立大らが開発(PC Watch)
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1520336.html

TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock

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