岸田首相、「資産運用特区」の創設表明
訪米中の岸田文雄首相は9月21日(米国時間)、日本における資産運用を強化するため、国内外からの新規参入を促進する方針を明らかにした。国外の資産運用会社の参入を容易にするための体制作りにも力をいれる。
岸田首相は200人の経済関係者を前に講演した。英語のみで手続きが完結する「資産運用特区」を創設する意向を示した。日米を基軸としたフォーラムの設立も計画する。
新規参入者向けの支援を含め、新たな取り組みにも着手する予定だ。米国やシンガポールなどの経済立国で実施されている「運用資金獲得支援プログラム(EMP)」を参考に、具体的な内容はこれから検討する。
こうした取り組みは、これまで新規参入の障壁となってきた言葉の問題や日本独自のビジネス慣行を是正する狙いがある。年内には実施計画を策定するとしている。
岸田首相は「日本のこの1年の経済指標は30年前以来のパフォーマンスを示している」と述べた。GDP成長率や株価の伸びを挙げ、経済を軸にした国策の成功を強調した。
講演では「構造的な賃上げ」と「持続可能性強化のための官民投資」の2つを重点政策として掲げた。海外投資家に日本への投資を強く求めた。
岸田首相は現状を「歴史の転換点」と位置付け、資産運用立国に向けた改革を加速させる。各家庭においても「貯蓄」から「投資」への切り替えを推進する。
日本の資産運用は他国に遅れている
日本における資産運用の取り組みは他の先進国に比べて遅れているとされる。シンガポールの地元メディアによると、金融専門家は「日本の金融部門の偏狭さが世界の投資を妨げている」と指摘する。
政府はこれまで新NISAの導入やコーポレートガバナンス改革などの経済政策を実施してきた。今回の投資家参入もその一環となる。
【関連リンク】
・岸田首相、資産運用業の強化表明 参入促進で年内に政策プラン(ロイター)
https://jp.reuters.com/markets/gl obal-markets/QDZEFMOQENNPJKXU3P2QUOYC24-2023-09-21/
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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