経産省、EV電池や国産AIに助成
経済産業省は6月16日、電気自動車(EV)用の蓄電池開発や国内での生成AI(人工知能)開発に向けたスーパーコンピューターの整備などへの支援を明らかにした。
西村康稔経済産業相が同日の閣議後記者会見で、対象の分野に対し、合わせて2200億円を超える助成をすると発表した。
政府は昨年12月、経済安全保障推進法の「特定重要物資」に半導体や蓄電池など11分野を指定した。国内の生産体制を強化し、対象分野の企業の取り組みに対しては国が補助するとしている。補助金として3300億円を確保し、設備投資や技術開発を支援する。
蓄電池分野では、トヨタ自動車をはじめとした計7件の取り組みに最大約1276億円の助成を行う。中でも、トヨタは国内でのEV用リチウムイオン電池の年間生産能力増強を掲げており、最大1178億円を助成する。
政府は4月にもリチウムイオンの事業計画を提案したホンダとGSユアサに対して約1600億円の助成を決めている。今回のトヨタへの投資と合わせて45ギガワットアワーの生産規模を見込む。政府は2030年までに150ギガワットアワーを目指すとしている。
世界で自動車産業のEVシフトが進む中、国内の生産力を高める狙いがある。西村経済産業相は会見で「蓄電池の分野でしっかりと競争力、そして機微となる技術を日本で保有したい」と話した。
政府は国産AIの開発を目指す
蓄電池に加えて、政府は生成AIの国内開発にも意欲を見せる。クラウドサービスを手がけるさくらインターネット(大阪府大阪市)に最大約68億円の支援を行い、AI開発に向けたスーパーコンピューターの整備を進める。
生成AIの開発には高度な計算技術が不可欠。基盤となる大規模言語モデル(LLM)に膨大なデータを学習させるため、コンピューターの処理能力向上が求められる。
同社は北海道石狩市に保有するスーパーコンピューターの整備に135億円を投じる。そのうち、68億円を政府が助成するとしている。
【関連リンク】
・蓄電池や生成AI基盤に助成、トヨタのEV電池に約1200億円=経産省(ロイター)
https://jp.reuters.com/article/toyota-battery-idJPKBN2Y203O
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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