2024.04.29 著名人なりすまし!メタの詐欺広告が問題に
社会に浸透したSNSの裏側で、著名人の肖像を利用した詐欺広告が横行している。この問題は、世界各国で深刻化しており、メタを中心とした大手SNS運営企業の対応が問われている。
既に、オーストラリアでは当局がメタを告発し、著名人の写真を無断使用した広告をめぐった裁判で争われている。アメリカでも、同様の訴訟がちらほら見受けられる。無断で肖像を使われた著名人は大きな被害を受けているが、広告による詐欺の被害者にとっても深刻な問題となっている。
メタが2月に発表した2023年12月期決算は好調で、幅広いジャンルから広告出稿需要が集まっている。しかし、サイト上で掲載される広告には、前述の著名人なりすまし詐欺広告が後を絶たず、この問題が続けば優良広告主の離反など、事業に深刻な影響が及ぶ恐れがある。
被害者がメタに損害賠償請求、運営企業の対応不足が課題
国内でも、著名人をかたった偽の投資広告による「SNS型投資詐欺」が相次いでいる。警察庁によると、昨年の被害額は約277億9千万円に上る深刻な状況だ。
実際にメタで被害に遭った4人がメタの日本法人に損害賠償を求めて提訴した。
著名人をかたる広告を閲覧し、アシスタントと称する人物に誘導されて投資を勧められ、現金を振り込んだが、それが詐欺であったことが分かったという。
原告側は、虚偽の広告をSNSに掲載することで利用者に損害を及ぼす恐れを予見できたはずだが、メタがその内容の真実性を調査確認する義務を怠ったと主張している。
メタ側は、プラットフォーム上の安全対策に多額の投資を行い、AIなどを活用した技術的対策を講じていると主張する。しかし、実際には同一の不正広告が繰り返し掲載されるなど、対策が不十分であることが指摘されている。一方的に法的免責を主張するのではなく、利用者保護のために真剣な対応が求められている。
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https://news.livedoor.com/topics/detail/26299579/
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock