テレグラムCEO、機能削減と逮捕後の初コメント
テレグラムの創設者兼CEOであるパベル・デュロフ氏は、9月6日に同社の特定機能を削除すると発表した。
削除される機能には、匿名ブログ「テレグラフ」へのメディアアップロードや「近くの人」機能の無効化などが含まれる。デュロフ氏は、これらの機能が悪意のある者によって「悪用」されていると述べたが、テレグラムコミュニティの大多数はこれらの機能を適切に使用していると説明した。
この発表は、デュロフ氏が8月24日にパリで逮捕された後、初めて公の場で発言したものだ。9月5日、デュロフ氏は自身のテレグラムチャンネルで心境を明かし、「プラットフォーム上で第三者が犯した犯罪でCEOを訴えるのは、誤ったアプローチ」だと主張した。さらに、「Telegramのユーザー数が9億5000万人に急増したことで成長痛が起こり、犯罪者がプラットフォームを悪用しやすくなった」ことを認めた。
デュロフ氏は、テレグラムが「無秩序な楽園」だという認識は根拠のないものだと反論し、毎日何百万件もの有害投稿を削除していると説明した。また、この問題の改善を「個人的な目標に設定した」と述べ、社内で既にそのプロセスを開始していることを明らかにした。
法的問題とモデレーションポリシーの変更
フランスの検察当局は、テレグラムとその創設者が、より厳格なコンテンツモデレーションポリシーを実施しなかったことで、児童ポルノの拡散に関与していると主張している。2024年8月28日、フランス当局はデュロフ氏をマネーロンダリングや無許可の暗号サービス提供の罪などで起訴した。
これらの法的問題に対応するため、テレグラムはプライベートチャットのモデレーションに関するポリシーを変更し、FAQセクションの言語を修正した。例えば、「Telegramに違法なコンテンツがあります。どうやって取り下げればいいのでしょうか?」という項目の回答が更新され、現在はTelegramアプリ内に「報告」ボタンがあり、数回タップするだけでモデレーターに違法なコンテンツを報告できるようになっている。
一方、テスラCEOのイーロン・マスクは、デュロフ氏の逮捕を言論の自由の侵害だと批判している。マスクは自身のSNSプラットフォーム「X」で、「FreePavel」のハッシュタグを使用し、「危険な時代だ」と投稿した。
デュロフ氏は500万ユーロの保釈金を納めて保釈されたが、フランスを出国しないことを義務付けられている。テレグラムは今後、コンテンツモデレーションの強化と機能の見直しを進めながら、ユーザーのプライバシーと表現の自由のバランスを取る難しい課題に直面することになる。
【関連リンク】
・テレグラムCEO、悪用への対応改善を約束-逮捕後初投稿(Bloomberg)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-09-06/SJDN3ST0G1KW00
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TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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