ホンダ(本田技研工業)、EV開発とAI活用で未来へ加速
電気自動車(EV)開発競争が激化する中、ホンダが2026年から投入する新たな技術を公開した。次世代EVは電池やモーターの小型化により、従来モデルより約100kg軽量化。これにより航続距離の延長と広々とした室内空間の実現を目指す。
さらに注目すべきは、生成AIを活用した車内機能だ。カメラで捉えた車内の様子から、その時に合った音楽を提案したり、休憩を促したりする機能を搭載する。ホンダの三部敏宏社長は「100年に一度の変革期と言われる中、既存自動車メーカーのビジネスの延長線上では新興勢力に勝てない」と危機感を示す。
アメリカのテスラや中国のBYDが先行するEV市場で、ホンダは最新技術を武器に再来年から世界展開し、巻き返しを図る。
一方、ソニー・ホンダモビリティも2026年から北米と日本でEV「AFEELA(アフィーラ)」の納車を開始予定である。同社の川西泉社長は、AI技術の重要性を強調した。特に先進運転支援システム(ADAS)や自動運転領域でのAI活用に注力し、安全性確保のため従来技術との併用も検討している。
ホンダ全体としてEVとAI技術の融合を進める中、特に北米市場において重要な役割を担うのがアメリカン・ホンダ・モーターのAI戦略だ。
北米市場で加速するホンダのAI戦略と挑戦
ホンダの北米子会社、アメリカン・ホンダ・モーターでは、AI戦略が重要な役割を果たしている。IT担当副社長のボブ・ブリゼンディーン氏は「変化のスピードについていくことが最大の課題」と語る。同社は生成AIの活用に積極的で、5つの柱からなる戦略を展開した。特に従業員の生産性と効率向上に重点を置いている。
具体的には、マイクロソフトのChatGPT Enterpriseを従業員向けに導入予定としている。また、GitHubのAIモデルを用いたアプリケーション開発の効率化も進めている。ブリゼンディーン氏は「ヒューマン・イン・ザ・ループのコンセプトを採用し、人間の創造性と生産性を高めるためにAIを活用する」と強調する。
しかし、AI導入には課題もある。ソニー・ホンダモビリティの川西社長は「使う側の接し方や立場、気持ちを慎重に見極める必要がある」と指摘する。AI技術に対する不安や受け取り方は人によって異なるため、倫理観の醸成が重要だと述べている。
アメリカン・ホンダでは、AI戦略成功の鍵としてデータの品質管理と従業員教育に注力し、従業員のデジタル能力向上の研修プログラムを開始した。ホンダグループ全体で、EV開発とAI活用を両輪とした未来戦略が進んでいる。
【関連リンク】
・ホンダ 2026年から投入する次世代EV技術を公開 生成AIの活用も(TBS NEWS DIG)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1477688?display=1
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TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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