2030年までにEVバス1万台目指す
日本バス協会は2030年までに累計1万台の電気自動車(EV)バスを導入する目標を掲げている。それに伴い、全国でEVバスの導入が加速している。
「23年度はEVバス元年になる」。同協会の清水一郎会長は2月、通常理事会で強調した。国や自治体の支援を有効活用しながら、EV普及を進めたい考えを明らかにした。
3月には京王グループの西東京バスがEVバスを3台導入した。東京都内における乗合路線バスでは初の試みとなる。バスは中国のEV大手の比亜迪(BYD)から購入。あきる野市や八王子市、青梅市など、東京の西エリアで広く運行している。
5月からは足立区でもEVバスが走り始めた。足立区は2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロを目指した取り組みを進めており、EVバスの導入もその一環だ。
大阪メトログループは7月、大阪市内を走る2つの路線にEVバスを導入すると発表した。大阪・関西万博の開幕を見据え、2035年までに全ての路線バスをEVバスに切り替えるという。福岡県北九州市のメーカーが製造した72人乗りのバスを採用した。
自動車検査登録情報協会によると、23年4月までの1年で100台以上のEVバスが納車された。3月だけで国内10社の運行開始が確認されている。国内EVバスの大半はBYD製だが、国内スタートアップも猛追する。
EVバスの導入ラッシュの背景には補助金
EVバスの導入が進んでいる背景には、国や自治体の補助金がある。政府は22年度まで、EVバスの導入にかかる費用の約3分の1を補助していた。
東京都も3月から、EVバスの車両購入費の補助を始めた。一般にEVバスはディーゼル車の1.5倍から2倍ほどの値段だ。都はその差額(2300万円まで)を補助するとしている。
EVバスは政府が進める脱炭素計画を後押しする。EVバスが排出するCO2はディーゼル車の排出量の半分で済む。今後は政府や自治体の補助がなくても、導入が進むかどうかが焦点となる。
【関連リンク】
・EVバス、導入相次ぐ 補助金・燃料費減が後押し(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73587900U3A810C2TEB000/
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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