CSS公式ロゴの誕生、選定までの道のり
Webデザインの要となるCSS(Cascading Style Sheets)が、その歴史において初めて公式ロゴを採用することとなった。CSS-Next Community Groupが主導したこの取り組みは、10年以上使用されてきた従来のシールド型デザインからの大きな転換点となる。
従来のCSSには、CSS3の導入以降、シールド型のデザインが非公式ながら広く使用されてきた。しかし、技術の進化とともに新機能が次々と追加される中、中央に大きな「3」の数字が配置されたこのデザインは、最新のCSSの姿を適切に表現できなくなっていた。
新ロゴの選定にあたり、CSS-Next Community Groupは「小さくても見やすい」「可読性が高い」「色なしでも見やすい」など、具体的な要件を設定。GitHubを通じてユーザーからの提案を募り、コミュニティ投票を経て、最終的にJavi Aguilar氏のデザイン案が採用された。
新ロゴに込められた想いと意味
新たに採用されたロゴは、JavaScript、TypeScript、WebAssemblyなど、他のWeb技術のロゴとの調和を意識したデザインとなっている。特に注目すべきは、ロゴに使用されている「rebeccapurple」という色だ。
この色には、深い意味が込められている。CSSコミュニティの重要人物であるエリック・マイヤー氏の娘、レベッカ・マイヤーさんへの追悼の意が込められているのだ。レベッカさんは2014年、6歳の誕生日に脳腫瘍により帰らぬ人となった。
色名の「rebeccapurple」には、切なくも温かい逸話がある。レベッカさんは生前、「ベッカは赤ちゃんの名前で、6歳になったらレベッカと呼んでほしい」と話していたという。父エリック・マイヤー氏の言葉によれば、「彼女は6歳の誕生日を迎えることができた。わずか12時間ではあったが、確かに彼女は6歳のレベッカだった」とのことだ。
このロゴの採用は、単なるデザインの刷新以上の意味を持つ。それは、技術の進化とコミュニティの絆、そして人々の想いが交差する象徴となったのである。CSS-Next Community Groupは、このロゴを通じて、CSSの未来への展望と、コミュニティの大切な記憶を永遠に刻むことに成功した。
【関連リンク】
・CSSの新たなロゴが選出される、他の候補はこんな感じ(Gigazine)
https://gigazine.net/news/20241118-css-new-logo/
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TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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