Microsoft、広告付き無料版Officeをテスト中か
Microsoftが「Word」「Excel」「PowerPoint」などのデスクトップアプリに、広告付きの無料版を試験的に導入していることがわかった。2月24日付の複数の海外メディアの報道によれば、一部のユーザー環境で無料プランが利用できるようになっているという。
この無料版Officeは、Microsoft 365の一部として提供され、初回起動時にMicrosoftアカウントへのサインインをスキップすることで利用可能になる仕組みとされている。ただし、試験的な導入であるため、すべての環境で同様の動作が確認されているわけではない。
無料プランでは、基本的な文書作成や表計算などの機能が利用できるものの、アドインの追加やグラフ作成、ピボットテーブルの使用、ヘッダー・フッターの挿入など、高度な機能は制限されている。また、作成したファイルはローカル保存ができず、OneDriveに限定される仕様になっている。
広告については、常時バナーが表示されるほか、一定の時間が経過すると15秒間の動画広告が再生される仕組みとなっている。これらの点を踏まえると、無料版Officeはオンライン版の「Microsoft 365 for the web」に近い仕様になっていると考えられる。
無料版Officeは市場にどう影響する?
広告付き無料版の導入は、Officeソフト市場に影響を及ぼす可能性がある。現在、Microsoft Officeには有料のサブスクリプションプランがあるほか、Google DocsやLibreOfficeといった代替サービスも存在する。今回の無料版Officeは、こうした競争環境の中でMicrosoftがシェアを拡大するための試みとみられる。
無料版の制限は多いものの、WordやExcelの基本機能を利用できる点は、コストを抑えたい個人ユーザーや企業にとって魅力となる。一方で、広告表示による作業効率への影響や、OneDriveへの保存制限を不便と感じる利用者も少なくないだろう。
また、Microsoftの広報担当者は「現在、広告付きの無料版を正式にリリースする予定はない」と述べており、試験運用の段階にとどまっていることがうかがえる。しかし、今後この試験が拡大されるか、正式なサービスとして定着するかは不透明だ。
【関連リンク】
・マイクロソフト、広告付きの無料「Office」を静かにリリース(ASCII.jp)
https://ascii.jp/elem/000/004/253/4253385/
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TEXT:PreBell編集部
PHOTO:Freepik
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