次世代タイヤの実証実験が始動、空気不要で持続的な運用へ ニュース

次世代タイヤの実証実験が始動、空気不要で持続的な運用へ

滋賀県東近江市で、自動運転車と次世代タイヤを組み合わせた実証実験が進められている。タイヤ大手のブリヂストンと市が連携し、空気を必要としない「AirFree(エアフリー)」タイヤを自動運転サービスに導入する試みだ。これは、市内の奥永源寺地域で運行されている自動運転車「奥永源寺けい流カー」に適用される。2026年中の実用化を目標に、公道での走行データを蓄積しながら検証が進められる。

AirFreeは、特殊形状の樹脂製スポークで荷重を支える仕組みを採用している。これにより、パンクのリスクをなくし、空気圧の管理も不要となる。また、ゴム部分は摩耗時に貼り替えることが可能で、スポーク部分は再利用しやすい素材が用いられている。こうした特性が、長期的な運用の効率化につながることが期待されている。

この実証実験の舞台となる奥永源寺地域は、中山間地域に位置し、高齢化や交通手段の確保が課題となっている。市は、低速で走行する小型電動車両「グリーンスローモビリティ(グリスロ)」の導入により、地域住民の移動を支援するとともに、観光客の利便性向上にも取り組んできた。こうした背景のもと、より安全性が高く、維持管理が容易なタイヤの導入が進められることになった。

地域課題の解決とモビリティの向上

AirFreeは、長年の研究開発を経て進化してきた。ブリヂストンは2008年からエアフリーコンセプトを打ち出し、2023年には第3世代のAirFreeを発表。素材技術の向上とシミュレーション技術の発展により、より強度があり、しなやかさを兼ね備えた構造となっている。さらに、青色のスポークを採用することで、視認性の向上を図っている。

従来の空気入りタイヤと異なり、エアフリーはパンクのリスクを回避できるため、自動運転技術と相性が良い。特に無人運転を前提とする車両では、タイヤトラブルが発生した場合の対応が難しくなるため、安定した性能を維持できることが重要視される。今回の実証実験では、実際の走行環境における耐久性や安全性の検証が進められる。

さらに、環境負荷の軽減という側面でも注目されている。摩耗部分の貼り替えやスポークのリサイクルにより、廃棄物の削減につながる仕組みが組み込まれている。こうした技術が確立されれば、持続可能なモビリティの実現に向けた一歩となる。

【関連リンク】
・空気不要でパンクしない次世代タイヤ…東近江市とブリヂストンがタッグ、自動運転で実証実験(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20250301-OYT1T50148/

TEXT:PreBell編集部
PHOTO:Freepik

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