【徹底解説】xAIのGrok 3とは?新機能DeepSearch&Thinkと料金プラン
イーロン・マスク氏率いるxAIが「地球上で最も賢いAI」と評するGrok 3が登場しました。
新たに「DeepSearch」や「Think」といった高度な機能も追加されています。しかし、その実力は本当に評価に値するのでしょうか?
本記事では、Grok 3の基本情報や新機能、料金プラン、さらには注意すべき点まで詳しく解説します。
- 目次
Grok 3とは

Grok 3は、米国のAI企業xAIが開発した最新のAIモデルで、2025年2月17日(米国時間)にリリースされ、日本では18日の13時ごろ公開されました。
本モデルは、前身のGrok 2に比べ計算能力が約10倍向上したスーパーコンピューター「Colossus(コロッサス)」を基盤にトレーニングされ、約20万台のNVIDIA社製「Nvidia H100 GPU」が活用されています。
GPUは、大量のデータを並列処理することで、行列演算やパラメータ更新といった大規模な数値計算を迅速に行えるため、AIの学習に最適です。
また、イーロン・マスク氏はGrok 3を「地球上で最も賢いAI」と評価し、その注目度を高めています。
メンフィスにあるデータセンター

Grok 2との違い
先述のとおり、Grok 3はGrok 2と比較して、計算能力が約10倍向上し、20万台のNvidia H100 GPUを活用して大量のデータを迅速に処理できます。
さらに、強化学習を取り入れることで推論能力が高まり、複雑な課題にも正確に対応可能になりました。
強化学習とは、機械学習の一分野で、エージェント(プログラム)が環境と相互作用しながら、試行錯誤を通じて最終的に得られる報酬の合計を最大化する行動戦略を学ぶ手法です。
この手法により、テキストや画像など多様なデータの取り扱いに加え、Deep SearchやThink機能を搭載し、情報整理や提案の効率が大幅に改善されています。
Grok 3の料金プラン
Grok 3の料金プランは、以下のように設定されています。
プラン名 | 月額料金 | 年間料金 | 特徴 |
---|---|---|---|
Premium+(Webから) | 6,080円 | 60,040円 | ・今後実装される新機能への早期アクセス ・Grok-3の利用 ・Deep SearchやThink機能の追加 ・音声モード(追加予定) ・無制限の画像生成 |
Premium+(iPhoneから) | 8,000円 | 80,000円 | |
Premium+(Androidから) | 8,190円 | 80,400円 | |
SuperGrok | 月額30ドル(約4,500円) | - |
なお、2025年2月22日現在、Grok 3はサーバーがダウンするまで無料開放されており、どなたでも自由にご利用いただけます。

Grok 3 に新たに追加された新機能
Grok 3では、より高度な情報検索と推論を可能にする新機能が追加されました。特に「DeepSearch」と「Think」の2つのモードにより、AIの情報収集力と意思決定の透明性が向上しています。
DeepSearchは、リアルタイムデータを活用し、矛盾を考慮した高度な情報検索を実現。一方、Thinkモードでは、推論過程を可視化することで、より信頼性の高い意思決定をサポートします。
これらの機能がどのように活用できるのか、詳しく見ていきましょう。
DeepSearch(ディープサーチモード)
DeepSearchは、Grok 3で利用可能なAIリサーチエージェントです。WebサイトとX(旧Twitter)からのリアルタイムデータを活用して情報を統合します。
DeepSearchの特筆すべき点は、矛盾するデータポイントを推論し、簡潔かつ引用が豊富な要約を提供できることです。
たとえば、日本のイチゴの種類について尋ねたところ、約46秒で64のウェブサイトから情報を分析し、312種類という答えを導き出しました。

Think(考えるモード)
Grok 3には、意思決定プロセスを支援する「Think」というエージェントが搭載されています。
Thinkを起動すると、推論の各ステップが案内され、答えに到達するまでの過程が可視化されます。
今回Thinkを使用して、以下のような論理的な問題を提示しました。

Thinkモードでは、さまざまな嘘の文章の総数を仮定して、それがどの文章にあたるかを検証します。
結果として1~3が真実、4~6が虚偽の文章ですが、Grok 3が導き出した答えはどのようなものなのか見てみましょう。

Grok 3は正解を導き出し、正しい回答を提示してくれました。
この透明性の高さは、AIがどのように結論に至ったのかを確認できるため、ブラックボックス的な振る舞いを避けたいユーザーにとって安心材料になります。
特に、AIを業務で活用する企業や、AI倫理を重視する研究者にとって有益です。
Grok 3の利用方法2つ
現在Grok 3を利用するためには、xAIの公式サイトとXアプリの2種類があります。
xAI(公式サイト)
SuperGrokの利用には、https://grok.com/ にアクセスします。
X(旧Twitter)やGoogleアカウントでログインするか、もしくはメールアドレスでアカウントを新規作成します。

ログイン後、月額30ドルの有料サブスクリプションを購入する必要があります。

これにより、SuperGrokのすべての機能にアクセスできます。(2025年2月22日現在は、無料で利用可能)

Xアプリ(旧Twitter)
まずX(旧Twitter)のアカウントを作成します。
その後、Premium+プランを選択し、支払いを行います。

あとはGrokのページに移動し、指示を入力し、実行ボタンを押すことで利用を開始できます。(2025年2月22日現在は、無料で利用可能)

公式サイト、Xアプリどちらもインターフェースは初心者でも扱いやすく、比較的簡単に操作が可能です。
Grok 3利用時の注意点
Grok 3は高性能なAIモデルですが、利用に際してはいくつかの注意点があります。
特に、価格設定の高さやX(旧Twitter)との強い結びつきが、ユーザーによってはデメリットとなる可能性があります。
高額な価格設定
Grok 3の利用コストは、SuperGrokであっても約4,500円と高価であり、月額20ドル(日本円で約3,000円)のOpenAIのChatGPTと比較すると、その差は歴然です。
この価格設定は一般ユーザーにとって負担が大きく、現在の無料開放が終了すると、一部のユーザーは利用が難しくなる可能性があります。
X(旧Twitter)との深い統合
Grok 3はX(旧Twitter)の投稿に大きく依存しており、情報の視点がX中心に偏る可能性があります。
そのため、Grok 3の出力内容が影響を受け、より広範な用途での普遍性が損なわれるかもしれません。
まとめ

本記事では、Grok 3の特徴や新機能、料金プラン、注意点について解説しました。
高性能なAIですが、コストや利用環境に不安を感じる方もいるかもしれません。
まずは無料期間中に試し、自分の用途に合うか判断するのが安心です。
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TEXT:PreBell編集部
PHOTO:Freepik
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