NTT、通信障害再発防止に1600億円投資
日本電信電話(NTT)は4月28日、通信障害への対策として1600億円を投資すると発表した。相次ぐ通信障害を踏まえ、2025年度までにグループ全体のネットワークを強化する。
NTTグループ全体では、4月3日に発生した通信障害に加え、2022年8月にNTT西日本、同年12月にNTTドコモが大規模な通信障害を起こしている。これまでも対策は進めていたが、想定外の事態が発生するなどして再発防止には及ばなかった。
今後は想定外の事態にも対応できるよう、より強いネットワークを構築する見込み。すでに「システム故障再発防止委員会」を立ち上げ、再発防止に向けた議論を進めている。23年度からは人工知能(AI)を活用し、通信回線に異常が生じた場合にも早期特定が可能な体制を整える。
さらに、現在は全国で1つに集約されているネットワークシステムを地域ごとに分散させ、通信障害が起きても影響を最小化できるようにする。NTT執行役員技術企画部門長の池田敬氏は「想定外の事態は必ず起きるという前提で強固なネットワークを構築していく」と話した。
データを振り分ける装置の故障が原因
NTT東日本とNTT西日本は、4月3日に発生した通信障害に関する事故報告書を総務省に提出した。東京や大阪など16都道府県で、インターネット接続サービス「フレッツ光」が使用できなくなった。両社合わせて最大44万6000回線に影響が出た。
通信障害は3日午前7時10分ころに発生し、NTT東日本では約3時間、NTT西日本では約1時間半にわたり、回線が利用できない、または利用しづらくなるなどの影響を受けた。
原因は、ユーザーに対して通信回線を提供する加入者収用装置の不具合だったという。サーバーからのデータを一斉配信するマルチキャスト通信をきっかけに、加入者収用装置が再起動を繰り返したことで通信サービスに影響が出た。現時点でサイバー攻撃は確認されていない。
【関連リンク】
・NTT、通信障害対策に1600億円 25年度まで(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC1076I0Q3A410C2000000/
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
- tag
この記事を気にいったらいいね!しよう
PreBellの最新の話題をお届けします。