メルセデス・ベンツ、ChatGPTを試験搭載。はじめは90万台に導入。
ドイツのMercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)は6月15日(米国時間)、米新興オープンAIが提供する生成AI(人工知能)「Chat(チャット)GPT」を同社車両に試験的に組み込むと発表した。米国内の顧客を対象とし、90万台以上の車両に導入する。3ヶ月間の試験導入を経て、拡大を目指す。
同社の一部車両には、カーナビの目的地設定を含む様々な機能を直感的に操作できる車載インフォテインメントシステム「MBUX」が搭載されている。今回はMBUXの搭載車が対象となる。
MBUXは「Hey Mercedes(ヘイ、メルセデス)」と呼びかけることで起動する音声認識システムを備えている。対話をするような形でシステムの操作が可能だ。ただし、MBUXでは対応範囲に制限があり、あらかじめ設定された内容しか対話ができなかった。
チャットGPTを追加することにより、より幅広い内容の対話とより直感的な音声コントロールができるようになる。例えば、利用者はハンドルを握ったまま、目的地の詳細を尋ねたり、夕食のレシピを相談したりできる。
マイクロソフトのクラウドを介してChatGPT導入
チャットGPTの導入は、オープンAIと米マイクロソフトとの連携によって生まれたサービス「Azure OpenAI Service(アジュール・オープンエーアイ・サービス)」を活用して行われる。同サービスはマイクロソフトが企業向けに提供しており、クラウドサービス「アジュール」上でオープンAIの大規模言語モデルを使用できる。
対象車両を保有している顧客はアプリや車両の音声コマンドを通して、チャットGPTの試験導入に参加することができる。車両システムは無線で更新され、利用者はベータ版を3ヶ月間使用する。
収集した音声コマンドのデータは匿名化して分析するとしている。3ヶ月間の知見をもとに、システムのさらなる改善を図る。
同社のマーカス・シェーファーCTO(最高技術責任者)は「チャットGPTの機能を使用して、ナビゲーションクエリや天気予報リクエストなどの既存の機能を強化する」とコメントした。
【関連リンク】
・メルセデス・ベンツ、車載システムに「ChatGPT」を試験導入(CNET Japan)
https://japan.cnet.com/article/35205385/
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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