国会議事録を検索できるChatGPTプラグイン
システムエンジニアリングを手がける自動処理(東京都中央区)は6月16日、米新興のオープンAIが開発した対話型AI(人工知能)「Chat(チャット)GPT」上で国会議事録を検索できるプラグインを発表した。あるテーマに関するニュースや意見などを書き込むと、国会での議論を表示してくれる。
プラグインとはソフトウェアの機能を拡張することができるプログラムのことを指す。同社が開発したプラグインは「The Diet Search Plugin(ザ・ダイエット・サーチ・プラグイン)」と呼ばれ、今年の1月1日から質問時点までの国会議事録が検索できる。日本語のほか、英語、韓国語、中国語など多言語に対応している。
ChatGPTをはじめとする生成AIの利用時には、事実とは異なる内容や文脈とは無関係な内容を出力してしまう「ハルシネーション」と呼ばれる現象が起こることがある。同社ではこのハルシネーションを防ぐため、国会議事録に記載されている内容のみを根拠として回答を出力するようにした。
例えば「ウクライナ支援に関する議論をまとめて」と入力すると、国会議事録の中から関連する内容を検索し、指定文字以内で要約してくれる。日付や発言した議員を指定して検索することもできる。表にまとめて表示することも可能だ。
同社代表の高木祐介氏は、遠い存在だと思われがちな国会の議論をより気軽に確認できるように同プラグインを開発したという。「政治家が何もやってくれていないという残念な誤解を解き、国民と国会の間にある断絶を繋げられるようなことができれば」と期待を示した。
あらゆる場面での活用が期待できる
同プラグインは教育機関や企業、政策研究機関などあらゆる場面での利用が想定される。教育機関では学ぶテーマに合わせて、国会での関連する議論を見つけ出すことができる。これにより、学生が現実の政策決定のプロセスを理解するのに役立つとしている。
今後は2022年以前のデータを追加するとしている。現在は発言者の名前のみが表示されるが、その所属政党や役職も併記することで利便性を高めることを目指す。
【関連リンク】
・「マイナカード、国会でどう議論された?」 議事録を自然文で検索できるChatGPTプラグイン公開(ITmedia NEWS)
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2306/19/news096.html
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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