ビズリーチ、生成AIで職務経歴書を作成
転職サイト大手のビズリーチは7月6日、生成AI(人工知能)を用いて職務経歴書を自動作成する機能を導入した。米新興のオープンAIが提供する対話型AI「Chat(チャット)GPT」を活用する。ビズリーチのサイトのアカウントを持つユーザーが利用可能だ。現時点ではiOSのアプリのみで提供される。
新機能ではいくつかの質問に回答するだけで、手軽に職務経歴書が作成できる。「職歴を教えてください」「ポジションを教えてください」「業務領域を教えてください」などの質問に対し、キーワード候補から自分に合うものを選択するだけで良い。最短30秒程度で350文字以上の文章が生成できる。
ただし、自動生成された内容は必ずしも正確だとは限らない。ユーザーは内容を確認し、正しい内容になるよう加筆や修正する必要がある。
東京大学大学院経済学研究科教授兼東京大学マーケットデザインセンター(UTMD)センター長の小島武仁氏率いる研究チームと共同で開発した。ビズリーチ会員を対象にしたテストの結果、新機能を利用して職務経歴書を作成した人は、しなかった人に比べ、スカウトの受信数が40%増加したという。
また、ビズリーチのキャリアコンシェルジュ10名に対し、AIを使用した職務経歴書と使用しなかった職務経歴書をランダムに提出し、11段階での評価を行った。その結果、AIを使用した方が平均よりも高い評価を得られることがわかった。
転職希望者数が増える一方で転職成功者は増えていない
AIツールを開発した背景には、リスキリング(学び直し)への需要の高まりがある。よりよい労働環境を求めて、転職を希望する人も年々増加している。
しかし、実際の転職者数はあまり変化していない。総務省の調査によると、2022年の転職希望者数は年平均968万人。一方、実際に転職した人は303万人と3分の1以下に止まる。
転職活動の最初のハードルは職務経歴書の作成だ。ビズリーチはAIを用いて職務経歴書を作成することで、スキルや経験が言語化できると指摘する。
【関連リンク】
・ビズリーチ、GPTで職務経歴書自動作成 スカウト受信数は4割アップ(Impress Watch)
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1514402.html
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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