京セラ、会話をリアルタイム表示するシステムを発売
京セラ傘下の京セラドキュメントソリューションズジャパン(大阪市)は8月17日、人の会話内容をリアルタイムで字幕表示するシステムを販売開始した。マイクに向かって話した内容を認識し、文字や画像をスクリーンに表示する。
発売されたのは「Cotopat(コトパット)」と呼ばれるシステムだ。音声を解析し、即座に文字起こしして表示してくれる。小型のプロジェクターが透明なパネルに文字を映し出す。
コトパットは聴覚障害を持つ人々をサポートするために開発された。大学や駅の窓口などに設置し、利用者と窓口担当者のコミュニケーションを支援する。2024年3月末までに100セットの販売を予定している。
システムには人工知能(AI)を組み込み、文脈に応じて自動で修正するようにした。よく使う専門用語を事前に登録しておけば、より精度の高い表示ができる。
日本語の字幕だけでなく、英語などの自動翻訳機能もある。現在は日本語、英語、中国語(簡体字)、中国語(繁体字)、韓国語、ベトナム語、ポルトガル語の7つの言語に対応している。コトパットを使えば、外国人観光客らとの意思疎通が容易になる。
今後は公共施設、大学、ホテル、百貨店、病院など、多くの利用者が訪れる施設への設置を目指す。
2021年から実証実験を重ねてきた
コトパットは透明なスクリーンに字幕を表示するため、相手の顔を見ながらコミュニケーションを取ることができる。必要に応じて、地図などの画像を表示することもでき、意思疎通がスムーズに行える。
2021年に京セラが開発した。これまでに自治体や大学、駅構内などで実証実験を行ってきた。2022年には海外からの留学生が多い同志社大学でも学生支援窓口など4ヶ所にシステムを設置した。
冬にはタブレット型の発売も検討している。外国語の双方向コミュニケーションにも対応したい考えだ。
【関連リンク】
・京セラDSJ、対面での発話をリアルタイムに字幕表示するデバイス「Cotopat」を発表(IT Leaders)
https://it.impress.co.jp/articles/-/25207
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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