手術ロボット「MIRA」、宇宙でのテストと地球への帰還
約20年にわたる開発期間を経て、シェーン・ファリター氏とそのチームによって発明された「MIRA(miniaturized in-vivo robotic assistant)」が、遂に宇宙での「手術」を可能にした。
この画期的なロボットは、ノースラップ・グラマン・シグナス宇宙船で1月30日に打ち上げられたものである。MIRAは、宇宙ステーションにおける初の手術ロボットとして、遠隔手術タスクを宇宙でテストするという貴重なミッションを成功させた。
ファリター氏のチームは、今春後半にMIRAが国際宇宙ステーション(ISS)から地球に帰還する前に、ロボットの性能に関する貴重なデータを受け取る予定だ。
遠隔手術技術の地上での必要性
遠隔手術技術は地上の医療状況にも革命をもたらす可能性を秘めている。米国外科学会の2018年の報告書によると、米国の郡の約3分の1では外科医が不足している現状がある。
2001年から2019年の間に地方での外科医の確保が29%以上減少したというワシントン大学の調査結果も、この問題の深刻さを示している。
ファリター氏は「遠隔手術はこれらの問題に対処し、患者が必要な医療を受けられるようにする可能性を秘めている」と述べており、MIRAのビジョンは、宇宙以外に、軍事戦場や医師が不在の田舎など、僻地でも手術を行うことだ。
この先進的な技術が地上で実現される日はまだ先だが、その実現に向けての確固たる一歩を踏み出した。
- 関連リンク
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宇宙でも「手術」可能に 地上からロボット遠隔操作(時事ドットコム)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024021700291&g=int
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TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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