マイクロソフトの新機能「Recall」にプライバシーの懸念
マイクロソフトが発表した新機能「Recall」をめぐり、プライバシー懸念の指摘が相次いでいる。Recallは、同社の新しい「Copilot+ PC」に搭載される予定の機能だ。
定期的にデスクトップ画面のスクリーンショットを取得・保存し、これらの情報を生成AIに与えることで、個人に合わせた機能提供を目指すという。しかし、この仕組みをめぐって「スクリーンショットを撮られるのは気味が悪い」「機密情報が漏洩するリスクがある」などの批判が殺到した。
これを受けて、マイクロソフトは6月7日付けのWindows Blogで、Recallの仕様変更を発表した。主な変更点は、デフォルトで無効になり手動での有効化が必要になること、生体認証の登録を義務付けること、プライバシー保護の強化などだ。
しかし、一度マイナスイメージを植え付けられたことから、懸念の払拭は簡単ではない。生成AIの活用による漏洩リスクについては、引き続き批判の声が広がっている。
写真記憶機能「Recall」とは?
新機能「Recall」は、AIを活用してコンピューター上のあらゆる活動を追跡し、自然言語で検索できるようにするものだ。画面上のコンテンツのスナップショットを定期的に撮影し、AIを通じて検索可能にする。
データは数秒ごとにコンピューター内に保存され、最大3か月分を確保するため、25GBの専用ストレージが必要となる。検索時には、テキストや音声を使ってコンテンツを指定でき、関連するスナップショットが表示される。
さらに「タイムライン」機能を使えば、期間を指定して過去の特定の活動をたどることも可能だ。マイクロソフトは、この機能を「写真記憶」と表現している。
【関連リンク】
・マイクロソフトのAI新機能「Recall」、セキュリティ専門家らが批判(CNET Japan)
https://japan.cnet.com/article/35219762/
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TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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