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AIシステム導入に逆風、マクドナルド音声注文の実証実験中止

米マクドナルドの先進的な取り組みに対する賛否が入り交じる中、同社はAI(人工知能)を活用した顧客サービスの分野で一時的な後退を余儀なくされた。マクドナルドはかねてより業界をリードするAI技術の導入に注力してきたが、IBM協力のもと一部店舗で実施していたAI自動音声注文システムの実証実験を中止すると発表した。

業界関係者によると、システムの音声認識精度やノイズ対策が課題となり、顧客からの苦情が相次いだことが中止の直接の理由とされている。しかし、マクドナルドは「AI関連の取り組みは継続する」と強調し、2024年末までに「音声注文のための長期的かつ拡張可能なソリューション」を検討すると表明した。

グーグル提携でDX加速

短期的な挫折にもかかわらず、マクドナルドはAIやIoTといった先端技術を基盤とした新たな店舗インフラの整備を加速させている。同社は2023年12月、グーグルとの提携を発表し、クラウド技術とAIの全店舗展開に着手した。

マクドナルドのブライアン・ライスCIO(最高情報責任者)は「世界中の店舗をデータでつなぎ、ツールとAIモデルを強化することで、店舗運営の効率化と顧客・従業員体験の向上を実現する」と意義を説明する。マクドナルドは強力なインフラを武器に、モバイルアプリやセルフサービスキオスクなどの機能強化にAIを適用し、革新的なサービスを提供していく考えだ。

テクノロジーの導入には一進一退があるものの、マクドナルドが掲げるスマートで利便性の高い店舗像の実現に向け、着実にデジタル変革を重ねていく姿勢には変わりがない。

【関連リンク】

・マクドナルドがドライブスルーの注文を受けるためIBMと提携して導入したAIチャットボットを撤去(Gigazine)
https://gigazine.net/news/20240617-mcdonald-end-drive-thru-ai/

TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock

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