キヤノンなど4社が医療トレーニングシステムの提供開始 臓器のCT画像を3Dで観察できる「MR Anatomy」
キヤノン株式会社、キヤノンITソリューションズ株式会社、日本メドトロニック株式会社、ザイオソフト株式会社の4社が連携し、7月上旬に医療従事者向けの新たなトレーニングシステムの提供を開始することを発表した。
「MR Anatomy」と呼ばれるそのトレーニングシステムは、コンピューター断面撮影装置(CT)で撮影した肺の構造を複合現実(MR)で観察できるというもの。提供開始は7月上旬を予定。料金は月額25万円(税別)だ。
精密な構造理解が可能に セットアップも専用アプリで簡単
同システムは、高精密な実寸大の臓器の3D画像を表示することで、より精密に構造を理解し、医療現場での教育の質向上が期待できる。
近年では、肺がん手術における区域切除、すなわち小さく腫瘍を取り除く手技が増加。それに伴い高度な肺の構造理解が求められているという。
ザイオソフトの3次元医用画像処理システムにより3Dデータ化した肺のCT画像を、キヤノンのMRシステムで表示する。これにより、2D画像では把握が難しかった病変の位置関係や、血管の走行、臓器の大きさを立体的に理解することが可能だ。
また、セットアップはPCの専用のアプリケーションでドラッグ&ドロップするだけで、すぐに観察を始めることができる。表示した画像は拡大・縮小、回転させるなど直感的に操作できる。
臓器を立体的に把握することは数年を要すると言われており、特に医学生や若手外界が習得するのは容易ではない。同システムにより、このような医療現場の課題解決が期待できる。
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TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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