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楽天グループ、最大3000億円調達へ!通信事業の黒字化に向けた戦略的動き

楽天グループは、通信子会社である楽天モバイルを通じて、最大3000億円規模の資金調達を実施すると発表した。この戦略的な動きは、グループ全体の財務基盤強化と、特に苦戦が続く通信事業の収益改善を加速させることを目的としている。

資金調達の手法として、楽天モバイルは保有する通信設備の一部をマッコーリー・アセット・マネジメント率いる投資家コンソーシアムに売却し、その後リース契約を結ぶ「セール・アンド・リースバック」方式を採用する。リース期間は10年に設定され、調達資金は主に運転資金と設備投資に充当される予定だ。

楽天グループの三木谷社長は、この取り組みについて「財務的にもさらに盤石な体制を築くことが可能になった」と評価。楽天モバイルの収益改善の勢いを加速させながら、早期の黒字化を目指すと意欲を示した。

過去最高売上げと赤字縮小!楽天の躍進と挑戦

この資金調達の発表に続き、楽天グループは2024年度第2四半期決算を公表した。連結売上収益は5,373億円(前年同期比8.1%増)と、第2四半期として過去最高を記録。「インターネットサービス」「フィンテック」「モバイル」の全セグメントで増収を達成した。

特に、長年の課題であった楽天モバイル事業の収益改善だ。売上収益は950億円(前年同期比18.6%増)と増加し、Non-GAAP営業損失も前年同期比218億円改善の606億円まで縮小した。契約回線数は8月7日時点で770万回線に達し、解約率も低下傾向にある。

三木谷社長は、楽天モバイルの今後について「プラチナバンド(700MHz帯)の商用サービス開始や、4G・5G自社基地局の継続的な拡充などに取り組む」と述べ、さらなるサービス品質の向上を約束した。また、若年層を中心とした家族プログラムの展開など、ユーザー獲得強化策も明らかにした。

一方で、楽天グループ全体としては5期連続の最終赤字となったものの、その幅は大きく縮小している。携帯電話事業の改善に加え、EC事業や金融事業の好調が全体の業績を下支えしている。

今回の大規模資金調達と収益改善の兆しは、楽天グループの通信事業黒字化への道筋を示すものとなった。しかし、2025年に控える約5000億円の社債償還など、財務面での課題は依然として存在する。グループ内の金融事業再編の検討など、さらなる経営基盤の安定化に向けた取り組みが今後の焦点となるだろう。

【関連リンク】

・楽天モバイル、一部通信設備を売却→リースで最大3000億円を調達へ--社債償還に備え(更新)(CNET Japan)
https://japan.cnet.com/article/35222555/

TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock

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