ソフトバンクグループとオープンAI、合弁会社を設立へ
ソフトバンクグループ(SBG)は、米OpenAIと共同で、日本市場に特化したAI技術の開発と提供を行う合弁会社を設立することで合意した。孫正義社長が3日、都内で開催した法人向けイベントで発表し、OpenAIのサム・アルトマンCEOも登壇した。
新会社「SB OpenAI Japan」は、SBGとOpenAIが出資を折半し、企業向けのAI技術開発と導入支援を担う。特に、業務の効率化を目的とした「AIエージェント」の提供を進める方針だ。このAIは、企業の内部データを活用し、カスタマイズされたソリューションを提供することで、顧客対応や営業活動の自動化を目指す。
孫社長は「企業向けに特化した最先端のAIを日本から提供する」と語り、OpenAIの技術を活用した業務効率化の重要性を強調した。アルトマンCEOも「AIの活用が進む中、日本市場への期待は大きい」と述べ、日本での事業拡大に意欲を示した。
ソフトバンクグループのAI戦略とは
SBGは近年、AI関連事業の強化を進めてきた。特に、半導体やデータセンター分野への投資を拡大し、AIの活用を促進する基盤を整えている。昨年11月には、オープンAIへの5億ドル(約780億円)の投資を発表し、関係を深めてきた。
今回の合弁会社設立により、SBGは国内企業へのAI導入を加速させる考えだ。通信子会社のソフトバンクから技術者や営業担当者を派遣し、導入企業ごとのカスタマイズを実施する。さらに、AIの学習データを国内のデータセンターで管理することで、セキュリティ面での信頼性を確保する。
一方、政府もAI分野での国際協力を推進する姿勢を示している。石破総理大臣は、孫社長やアルトマンCEOと面会し、日本のAI活用の方向性について意見を交わした。総理は「日本とアメリカの協力を深め、AIが社会に貢献する形を模索したい」と述べ、AI技術の発展が経済成長に与える影響に期待を寄せた。
また、アルトマンCEOは東京大学で学生との交流を行い、将来的なAI技術の公開についての考えを示した。中国の企業が進める技術公開の動きに対し、「安全性を考慮した形で、よりオープンなAIを提供する方向に進む」と語った。
【関連リンク】
・OpenAIおよびソフトバンクグループが提携し、企業用最先端AIを開発・販売することに合意(Softbank)
https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2025/20250203_01/
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TEXT:PreBell編集部
PHOTO:Freepik
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