米Meta、世界を結ぶ巨大インフラプロジェクト「Project Waterworth」 ニュース

米Meta、世界を結ぶ巨大インフラプロジェクト「Project Waterworth」

米Metaが2月14日に発表した「Project Waterworth」は、総延長5万キロメートルを超える海底ケーブルプロジェクトである。米国、インド、ブラジル、南アフリカを含む5つの大陸を結ぶ計画で、世界最長の海底ケーブルとしてインターネット通信の基盤を強化する目的がある。

近年、生成AIやクラウドサービスの普及により、膨大なデータ処理が求められるようになった。こうした背景から、安定したデータ通信インフラの整備が不可欠となり、各国の大手テクノロジー企業が海底ケーブル敷設に取り組んでいる。Metaもこれまで20本以上の海底ケーブルプロジェクトに関与してきたが、今回のプロジェクトは同社が単独で所有・運営する初の大規模計画となる。

この発表の前日には、米国のトランプ大統領とインドのモディ首相がワシントンD.C.で会談しており、米政府はこのプロジェクトを両国の防衛パートナーシップの一環と位置付けた。インド政府もインド洋の海底ケーブル保守・修理に投資を進める方針を示しており、デジタルインフラ強化が国際的な関心を集めている。

技術と影響

Project Waterworthには、24ファイバーペアの高容量ケーブルが採用される。これは現在主流の8〜16芯を超える規模で、大量のデータを低遅延で送信することが可能となる。水深7000メートルの深海にも敷設され、浅瀬では埋設技術を活用することで、船舶の錨や自然災害による損傷リスクを軽減する工夫が施される。

海底ケーブルは、世界のインターネットトラフィックの95%以上を担う重要な通信インフラであり、その安定性が求められている。過去にはバルト海でのケーブル破損が国際問題となり、各国が監視体制を強化した経緯がある。Metaはこうしたリスクに対処するため、サイバーセキュリティ対策や耐久性の向上を図る計画だ。

プロジェクトには数十億ドル規模の投資が見込まれ、完成すればインドを中心としたAIデータセンターの発展を後押しすることが予測される。Metaはこれまでにもアフリカを結ぶ「2Africa」ケーブルに関与しており、今回のプロジェクトによってさらに広範な地域にデジタル通信基盤を拡大する狙いがある。

一方で、巨額の投資回収や各国の規制との調整など、課題も残る。海底ケーブルの敷設には長期間を要し、完成までの運用リスクも考慮しなければならない。加えて、Googleなどの競合企業も同様のインフラ整備を進めており、業界全体の動向が注目される。

【関連リンク】
・Meta、地球の円周を上回る世界最長海底ケーブル「Waterworth」を発表(XenoSpectrum)
https://x.gd/QxGpH

TEXT:PreBell編集部
PHOTO:Freepik

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