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AGI(汎用人工知能)とは?現段階AIやASIとの違い、課題などを解説

汎用人工知能(AGI)は進化したAIで、人間と同等またはそれ以上に様々なタスクを柔軟に処理します。

これは現在の特化型AIとは異なり、私たちの生活やビジネスへの強力な支援が期待できます。

しかし、その社会への影響や人間との共存・共生の準備も重要な課題です。

本記事では、AGIの特徴、ASIとの違い、およびその課題を解説します。

AGIとは

AGIとは

AGI(Artificial General Intelligence)は、人間が実現可能なあらゆる知的作業を理解・学習・実行することができる人工知能です。

人間に近い思考回路や感情を持つAIとして、ビジネス分野で大きな注目を集めています。

汎用人工知能とも呼ばれ、人工知能研究の最終的な目標として、その実用化には高い期待が寄せられています。

しかし、2024年現在、AGIはまだ実現できていません。

そのため、AGIは「人類が開発する最後の技術」になると言われています。

現段階のAI

現段階のAI

現段階のAIであるANI(Artificial Narrow Intelligence)、特化型人工知能について説明します。

特化型AIには、画像処理、自動運転、株価予測などがあります。

膨大な量のデータを事前に学習させることで、そのデータの範囲内では人間と同等の能力を発揮します。

しかし、データ範囲外の分野や想定外の状況にはANIは対処できません。

最終段階のAI

最終段階のAIであるASI(Artificial Super Intelligence)人工超知能は、機械が超知能を持ち、人間よりも賢いことを意味します。

これは、あらゆる分野で人間よりも優れた能力を発揮するAGIの進化版であり、意思決定に人間の判断を必要としません。

AGIでできること

AGIでできること

人工知能の進化によりAGIが実装されると、人間と同等の認知能力を持つAIが出現し、自律的な行動が実現します。

AGIは自己学習能力を持ち、大量のデータから独立した決定を下し、新しいアイデアを生み出すことも可能です。

未知の問題に対して適切な判断ができ、人間の顔色や表情を読み取って疲労度を判断し、人間らしい行動を自ら判断して行います。

さらに、人間の感情を理解し、対話を行う能力も持っています。

AGIは、現段階のAI(ANI)を超越し、汎用性と自律性を備えたもので、人間のように複雑なタスクを柔軟にこなす能力を持つことになると言われています。

AGIの課題

AGIの課題

AGIの開発には多くの課題が存在し、それぞれに対する対策が求められています。

最初に考えるべきは、シンギュラリティの到来という問題です。

ここでは、AIが人間の知能を超える瞬間、通常2045年以前に訪れると予想されている現象に対する適切な対策が求められています。

次に重要なのはAGIの悪用を防止し、安全性を確保するための取り組み、プライバシーとデータセキュリティの強化も重要な課題です。

最後に、AGIの利活用には、倫理観と実効性あるガイドラインが必要となるというAI倫理の問題があります。

これらの課題を解決することで、AGIは人間の代替になりうる存在となり、人類の生産性は飛躍的に向上すると予想されています。

AGIの事例

AGIの事例

AGIが今後活用されるであろう事例について2つ紹介します。

医療分野

AGIは計画提案、患者の健康管理、データ解析が可能で、カスタマイズされたケアを提供します。

例えば、高齢者の病歴と健康状態を調査し、最適な治療計画を提案、リアルタイムで治療効果を監視し計画を調整します。

これにより、最良のケアが可能です。

また、AGIは病気の診断や治療方法の選択にも役立つとされています。

教育分野

教育分野

AGIは教育分野でも大きな役割を果たすことができます。

AGIは各小学生の学習の進み具合や得意な科目、苦手な科目をしっかりと把握します。

それぞれの子供に合わせて、最適な学習プランを作成し提供します。

例えば、数学が苦手な子どもには基本から丁寧に教えたり、楽しいゲームを使って学習をサポートしたりといった具合です。

AGIは学生一人ひとりの学習スタイルや進度に合わせてカスタマイズした教育プログラムを提供することができ、これにより質の高い教育実現が期待できると同時に、教師の負担を軽減する役割も果たします。

また、AGIは研究の世界でも活用されます。

大量のデータを迅速に解析し、研究者に新たな発見やアイデアを提供してくれるでしょう。

研究者が新しい知識を得たり、難しい問題の解決策を見つけたりするのに役立ちます。

AGIの研究開発をしている企業

AGIの研究開発をしている企業

ここでは、AGIの研究開発をしている企業2社を紹介します。

OpneAI

OpneAIの目指すところは、人工汎用知能(AGI)という人間を超越したAIシステムが全人類の利益となることを確保することです。

ただし、AGIには誤用や深刻な事故、社会的混乱といったリスクも伴います。

それゆえに、AGIが人類の強力な支持を得られるように、またその利益、アクセス、ガバナンスが公平に共有されるように、そして大きなリスクが適切に管理されるようにすることを目指しています。

Google

GoogleはDeepMindとGoogle Brain Teamを統合して、Google DeepMindという新たな企業を設立しました。

この中で、「AGIは歴史上最大の社会的、経済的、科学的変革を推進する可能性を秘めている」と述べ、さらに「Google DeepMindの設立により、その未来により早く到達できると信じている」とも語っています。

まとめ

社会的な混乱を抑え、AGIの価値を最大化するための取り組みが求められている

汎用人工知能(AGI)は、人間のような知能を持つAIで、効率的な業務処理や高度な意思決定サポートなどの変革をもたらす可能性があります。

しかし、その実現には倫理的課題の解決や適切な法整備などが必要となります。

現在のAI技術は、マルチモーダルAIとして多種多様なデータを一度に処理できる方向に進化しており、これがさらに進展すればAGIの実現が近づくかもしれません。

社会的な混乱を抑え、AGIの価値を最大化するための取り組みが求められています。

TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock

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