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採用が「労働集約産業」だった時代は終わった。対話型AI面接サービスSHaiNの挑戦

厚生労働省の調査によれば2023年末の有効求人倍率は1.28倍と売り手市場が続いています。

急速なIT化や少子高齢化により労働人口が減少するなかで、優秀な人材の確保は企業にとって非常に重要です。

しかし、応募者が思うように集まらなかったり、ようやく採用できても内定辞退や早期退職が頻発したりするなど多くの課題を抱えている企業も多いのではないでしょうか。

このような状況のなかで、株式会社タレントアンドアセスメントは、世界初の日本語に対応した対話型AI面接サービス「SHaiN」によって数々の人材ソリューションを提供してきました。

今回は、株式会社タレントアンドアセスメントの山﨑俊明様より「戦略採用メソッド」に基づいた「SHaiN」のシステムやAIの可能性についてお話をお伺いしています。

可視化できない資質や潜在能力を明らかにする「戦略採用メソッド」

御社の業務内容について教えていただけますでしょうか?

株式会社タレントアンドアセスメントは、対話型 AI面接サービスSHaiNを2017年にリリースし、470社以上の企業にご利用いただいています。

弊社が独自に開発した「戦略採用メソッド」によって、受験者の資質や潜在能力を明らかにし、公正な採用を実現してきました。

「SHaiN」を活用することで、内定辞退や場所や時間の制限による機会損失を減らし、入社後の人材配置や育成など幅広いピープルアナリティクスが可能になります。

「SHaiN」に搭載されている「戦略採用メソッド」はどのようなものなのでしょうか?

人を採用する場合、履歴書や職務経歴書は可視化されていますが、目に見えない性格や潜在能力まで見抜くのは難しいのではないでしょうか。

「戦略採用メソッド」に基づいた「SHaiN」は、約4万件以上の面接における質問や回答を6年間かけて分析した弊社独自のアルゴリズムによって候補者の資質や能力を正確に評価します。

従来の面接官の経験測や勘による評価のばらつきが改善され、評価基準の統一や先入観のない公平公正な選考を可能にしました。

「バイタリティ」から「ストレス耐性」まで10項目、100段階で評価

AIによる面接はどのようにして進められるのですか?

受験者はスマートフォンやタブレットを用いて、企業から送られてくる案内メールからいつでもどこでも面接に臨むことができます。

新卒採用の面接は約1時間で、AI面接官と受験者がやり取りしますが、曖昧な答えが多いと質問数が増えるので、1時間以上かかることもあります。

受験者の答え方次第では「もっと具体的に」と言われたり、答えた内容に対して更に深堀する質問をされたりします。

人間の面接官よりも厳しそうなイメージですね。面接の内容はどのように評価するのでしょうか?

全ての会話を文字に起こし、弊社独自のアルゴリズムに基づいて100段階で評価します。

AI面接官が丁寧に聞き出した受験者の「過去の行動」から「バイタリティ」「イニシアティブ」「対人影響力」「柔軟性」「感受性」「自主独立性」「計画力」の7つの要素を評価します。

さらに、面接中の表情や質問に対する回答の適切さなどから「理解力」「表現力」「ストレス耐性」の3要素を評価し、これら10要素の結果を採用担当者が確認・評価して合否を決めます。

企業側は、採用可否だけでなく、面接評価レポートを参考に、対面の面接時には候補者ごとに適した質問の投げかけや、特徴に合わせた動機付けとして活用することができます。

内定辞退率が74%から38%に減少!的確なフィードバックが受験者の心を掴む

AI面接を導入することで成果が出た事例などはありますか?

あるクライアントは、求める項目を設定したうえでAI面接を実施し、受験者へのフィードバックするとともに、強みや弱みを伝えながら受験者の共感性を高める面談を実施したところ内定辞退率が74%から38%に改善しました。

AI面接を通じて得た情報を補足資料として、チーム型や個性型などの特徴分けをした人材ポートフォリオに活用している企業もあります。

面接に費やす時間や労力など膨大なコストがかかるので、そういった部分をAIに任せることで、人事部は本来の仕事に邁進できるのではないでしょうか。

新卒採用だけでなくアルバイトにもAI面接は利用されているのでしょうか?

「SHaiN」は、24時間365日いつでもどこでも面接できるので、アルバイトでも10代から20代の若い世代を中心にご利用いただいています。

人手不足解消のために面接しているにも関わらず、面接担当者が現場を離れることで、その時間帯の売り上げが下がってしまうという矛盾した状況に陥っているケースが多いので、そういった課題解決にもつなげていきたいです。

今後、大学生のアルバイトはAI面接が主流になり、4年後の就職においても、当たり前のようにAI面接が受け入れられているのではないでしょうか。

人力に依拠する採用手法を変革し、全ての人に面接の機会を提供したい。

「SHaiN」のデータは他の企業に対しても流用できるのですか?

センター試験と同じような位置付けで「SHaiN」のAI面接による評価は1次情報として、他の企業でも活用いただけます。

面接は「労働集約産業」と言われるように、今までの人力に頼る面接では、全ての受験者を希望通り面接することができませんでした。

受験者を振り分ける基準として、学歴が用いられてきましたが、「SHaiN」を導入することで、今まで面接に進めなかった人も平等にチャンスが与えられるのではないでしょうか。

全ての人に面接の機会が与えられるのは素晴らしいですね。「SHaiN」の未来について教えていただけますでしょうか?

現在、「SHaiN」のデータは、企業が保持していますが、将来的には、ファイナンスと同様に情報ウォレットとして個人が持てるようになると思います。

個人の資格や学歴、「SHaiN」で得られた情報をダイレクトスカウトサービスに登録しスカウトが自動的に届くようになれば人材の流動性がより一層高くなるでしょう。

2030年頃には、世界中でAI面接が主流になり、面接の履歴を個人がNFTとして所有する時代になるのではないでしょうか。

オンライン婚活や医療面接「戦略採用メソッド」が提供するソリューション

御社の対話型AI面接サービスは、採用以外の分野でも活用できるのでしょうか?

弊社のAI面接に用いられる「戦略採用メソッド」は、科学的かつ客観的な根拠に基づいて性格や価値観を正確に把握できます。

今後は、採用面接以外にも、オンライン婚活や認知症かどうかを判断する医療面接での活用が期待できるでしょう。

御社の今後の展望などはありますか?

2017年に「SHaiN」をローンチして6年以上経過しましたが、クライアントのなかには、「SHaiN」を受けて入社した社員に対して再度AI面接を実施している企業があります。

入社時と比較して、あらゆる資質が向上し、社内で能力を発揮できてれば良いですが、そうでなければ資質が向上できる仕事に転職する可能性が高くなるため、入社後の結果をフィードバックして早期にフォローアップすることで離職防止することが可能です。

採用時だけでなく入社後も「SHaiN」を活用し、適時アセスメントを行うことで、社員のモチベーションアップや適切な人材配置にも活かしていただきたいと思います。

終わりに

key point

  • 株式会社タレントアンドアセスメントは、世界初の日本語に対応した対話型 AI面接サービス「SHaiN」を2017年にリリースし、現在は470社以上の企業が利用している。
  • 「戦略採用メソッド」によって、受験者の資質や潜在能力を明らかにし、公正な採用を実現している。
  • 受験者へのフィードバックとともに、強みや弱みを伝えながら受験者の共感性を高める面談を実施したところ内定辞退率が74%から38%と大幅に改善した。
  • 受験者を振り分ける基準として、学歴が用いられてきたが、AI面接を導入することで、面接に進めなかった人も平等にチャンスが得られる。

いかがでしたでしょうか?

オンライン診療や無人レジ、電子決済など「第4次産業革命」によるイノベーションは、私たちの生活に大きな変化をもたらしてきました。

世界は、環境変化への対応力を有する持続可能な産業への変革を目指す「第5次産業革命」に向けて動き始めていると言われています。

「第4次産業革命」を経てあらゆる分野において効率化と正確性が進化したにも関わらず、採用に関しては従来の面接方法で結果が出せず苦戦している企業も多いようです。

人手不足の解消はもちろんですが、豊かな未来を創造する時代の分岐点になることが期待されるなかで、優秀な人材の確保に向けてAI面接を検討されてはいかがでしょうか。

TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock

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