全国初、神戸市が生成AI利用についての条例を制定
神戸市議会は5月24日、米オープンAIが開発した「Chat(チャット)GPT」を初めとした生成AI(人工知能)の利用ルールを規定した条例改正案を可決した。生成AIに関する条例を定めるのは全国で初めてとなる。
生成AIでは、簡単な指示を出せば、文章や画像、プログラミングなどを作成することができる。久元喜造市長は4月、市役所の業務に生成AIを活用できると話しており、業務効率化への期待が高まっていた。
生成AIは便利な一方で、プライバシーや著作権の侵害や機密情報の漏洩などのリスクがある。同市でも生成AIを実用化するのに先駆けて、条例によるルール整備が求められていた。
改正されたのは「市情報通信技術を活用した行政の推進等に関する条例」。「第2条の2」を追加し、市職員に対して、生成AIに機密情報を入力しないよう定めた。ただし、安全性が確認されたものとして市長が定める場合を除くとしている。
神戸市と横須賀市で安全な生成AI利用を模索
神戸市はリスクを念頭に置きながら、安全な活用方法を模索している。市役所業務のうち、議事録の作成や文章の要約、翻訳業務に導入する予定だという。まずは100人程度の職員に試験的に導入し、行政サービスの効率化を目指すようだ。
生成AIの利用に当たってはガイドラインを策定。試験運用を通じて職員から活用のアイディアを募り、必要に応じてガイドラインを更新する。入力履歴が保存されない米マイクロソフトの生成AIを活用する予定だ。
各地の自治体も生成AIを取り入れ始めている。神奈川県横須賀市では4月からチャットGPTを導入した。自治体専用のビジネスチャットツールにチャットGPTの機能を連携し、文章の作成や要約、誤字脱字のチェックなどに使用する。同市も機密情報や個人情報は取り扱わないことを規定している。
【関連リンク】
・「チャットGPT」利用ルール規定、条例改正案が可決 神戸市、全国初(神戸新聞)
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202305/0016390807.shtml
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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