マイナカードで個人情報保護委がデジタル庁に立ち入り
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2023.08.10 マイナカードで個人情報保護委がデジタル庁に立ち入り

マイナンバーカードをめぐるトラブルが相次いでいることを問題視した政府の個人情報保護委員会は7月19日、デジタル庁に立ち入り検査を開始した。年金などの給付を受け取るための公金受け取り口座が、操作ミスなどで他人の情報と紐付けられていたケースはこれまでに940件あった。

個人情報保護委はデジタル帳のリスク管理や対策が不十分だった可能性を指摘。トラブルに至った事実関係を詳しく調査するため、立ち入り検査を実施した。デジタル庁の対応を再検討し、必要に応じて行政指導を行う。

行政指導には再発防止や個人情報の適切な取り扱いを求める指導や勧告、悪質な違反行為に対する命令が含まれる可能性がある。河野太郎デジタル相は「個人情報保護委員会の求めに応じて適切に対応する」と述べた。

政府はマイナンバーをめぐる問題に対応するため、「マイナンバー情報総点検本部」を設置した。利用者向けの公式サイト「マイナポータル」で入力が求められる29項目の情報に誤登録がないかを調査している。さらに、約3600の行政機関から聞き取りを行い、誤登録の恐れがある場合には全データの調査や修正を求める予定だ。

政府・与党内からマイナ保険証延期論

マイナンバーカード関連法案の成立により、2024年秋までに健康保険証を原則廃止し、マイナンバーカードを一体化することが決まっている。しかし、相次ぐトラブルを踏まえ、政府の与党内から廃止時期の延期を求める声が上がっている。

健康保険証は廃止日から1年間は利用可能だが、25年秋以降は「マイナ保険証」に移行する予定だった。日程を延期するには法律の再改正が必要となる。

自民党の世耕弘成参院幹事長は「信頼回復を優先すべきではないか」と指摘。国民の不安を払拭した上で、マイナ保険証を導入したい考えを示した。

【関連リンク】

・デジタル庁へ立ち入り 個人情報保護委員会、マイナンバー誤登録で(産経新聞)
https://www.sankei.com/article/20230719-DWUJLGHINRMIHGWBX7I36VTNO4/

TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock

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