マイナンバーでチケット転売防ぐ 実証実験を実施
チケットの不正な高額転売を防ぐ取り組みが進んでいる。デジタル庁は9月5日、チケットの購入時にマイナンバーカードを用いた本人確認をする実証実験を実施すると発表した。スポーツの試合やコンサートなど、エンターテインメント領域でのマイナンバー利用拡大を図る。
政府はマイナンバーのシステムを利用した本人確認のプロジェクトを進行中だ。実証実験はデジタル庁が主導し、チケット販売大手のぴあとビジネスコンサルを手がけるドリームインキュベータが協力する。
マイナンバーカードを用いた実験は東京都内で開催する一部のイベントで実施する。「PIA MUSIC COMPLEX 2023」や「Surf in MUSIC in 北泉」など、現時点で5つのイベントを予定している。来場者150人ほどの小規模なものから、3万人近く動員する大規模イベントまで様々だ。
実証実験の対象となるイベントでは、チケットの購入者は購入時や来場時にマイナンバーカードを提示する必要がある。チケットの購入数を「1人1枚」に制限できるほか、会場でアルコール類を購入する際の年齢確認にも使える。本人確認により、購入者以外の来場ができなくなり、他者への高額転売を防ぐことにもつながる。
体調不良や急用などでやむを得ずチケットを手放す場合には、公式のリセール(再販サービス)を利用できる。公式リセールで取引されたチケットについては、再販者と購入者双方にマイナンバーカードでの本人確認が求められる。発券チケットの様式も一次販売とは変え、入場レーンも区別するとしている。
個人同士のチケット転売は詐欺のリスクが高い
チケットの高額転売は長らく問題視されてきた。SNSでの呼びかけや金券ショップを通じたチケットの転売は詐欺のリスクが高い。定価よりも高額な料金を騙しとり、偽のチケットを送るなど、悪質な手法も散見される。
今回のマイナンバーカードを活用した取り組みは、不正転売を防ぐ一歩として期待されている。マイナンバーカードの交付枚数は人口の7割を超え、民間でも利用シーンが広がる。政府は実証実験を重ねながら問題点をあぶり出し、実用化に繋げたい考えだ。
【関連リンク】
・チケット高額転売防止にマイナカードで本人確認 デジ庁が実証実験(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASR956Q4KR95ULFA01Q.html
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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