住民の声を国会議員に届けるサービス
住民の困りごとや要望などを議員に届けるサービス「issues(イシューズ)」が注目を集める。開発元のissues(東京都大田区)は2023年内にもサービスを国会議員向けに拡充する予定だ。
issuesは2019年3月からサービスを開始。2月時点で有権者の登録は約3万人に上った。利用する地方議員は全国130以上の自治体で合計300人を超える。
活動規模の大きい国会議員向けにサービスを広げ、より多くの要望を届けられるような体制を構築する。地方議員向けの基本利用料は月8778円。国会議員向けはより高い料金設定を計画する。
有権者はissueに登録すれば、暮らしの悩みや要望を投稿できる。「小学校の欠席届をオンライン化してほしい」「災害時にペットを連れて避難できるようにしてほしい」など様々なトピックに対し、「賛成」または「反対」のボタンを押して、意思表示することが可能だ。
有権者の意見は地元の政治家に届き、意見に賛同する政治家が議会で質問したり、自治体に働きかけたりして政策を実行する。住民には政策実現の進捗などの報告メッセージが届く仕組みだ。
住民、議員とも基本無料で利用できる。現在、渋谷区・中野区・新宿区など東京23区を中心に政治家の登録が進んでいる。issue事務局によると、有権者の登録が一定以上に達した自治体の政治家に登録案内を送っているという。
若者の「政治離れ」を食い止める役割
若者の選挙に対する関心は低下している。令和4年7月に行われた参議院議員選挙における投票率は全体で52.05%だった。このうち、10代は35.42%、20代は33.99%、30代は44.80%と低い水準に止まっていることがわかった。
かつては町内会や自治会などが、住民のニーズを議員に伝える役割を担っていた。しかし、近年は都市部の若者を中心に、こうした組織に属さない人が増えてきた。そのため、「自分の声は政治家に届かない」という諦めから、選挙に行かない若者が増加している現状がある。
issuesにはこうした若い世代と議員を結びつける役割が期待される。実際、有権者の登録は20代から40代までの若者が中心だ。
【関連リンク】
・ウェブで国会議員と有権者つなぐ 政治活動支援のissues(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC080WU0Y3A800C2000000/
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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