「デジタル赤字」が拡大 旅行収支の過去最高黒字を打ち消す
財務省が5月10日に発表した国際収支速報によると、日本の「デジタル赤字」が膨らみ、常態化しつつあることがわかった。
デジタル赤字はデジタル関連取引における赤字のことだが、このうち「その他業務サービス」は4兆6828億円、「通信・コンピュータ・情報サービス」は1兆7428億円の赤字を計上。5年でおよそ1.7倍に膨らんでいる。
急増するインバウンドによる訪日需要を背景に、旅行収支は4兆2295億円と過去最高の黒字を記録した一方で、デジタル赤字がそれを打ち消す形となった。
要因は海外ITサービスの依存度の高さ 円安圧力としても注目
デジタル赤字の最大の原因は、日本の企業や個人のGoogleやAmazonなど海外のITサービスへの依存度が高く、海外企業へのドル建ての支払いが増え、日本の資金が流出することだ。
実際にデジタル化が加速する中で、多くの企業がクラウドサービスを導入し、個人での動画配信サービスやスマートフォン決済の利用も増えている。
また、最近では日米金利差と並び、円安要因としてもデジタル赤字が注目されている。5月10日の円相場では1ドル=155円台で推移。特にデジタル赤字は解消の見込みもなく、円相場を下押しし続ける可能性がある。
【関連リンク】
・常態化する国際収支の「デジタル赤字」 巨大ITへのドル払い増で円安圧力に(産経新聞)
https://www.sankei.com/article/20240510-HBFNNWWLJBOBJFPTFPMWMMUEFQ/
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TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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