変わりゆく高校生のデジタルライフ
デジタルネイティブと呼ばれる現代の高校生たち。彼らのスマートフォン利用実態に関する最新の調査結果が、株式会社アイ・エヌ・ジーによって発表された。この調査は、長年ティーンに特化したマーケティング支援を行ってきた同社が、関東の高校生男女を対象に実施したものだ。
調査によると、高校生の85%以上が学校や部活動が終わる18時以降にスマートフォンを集中的に利用していることが明らかになった。これは、多くの高校でスマートフォンの校内使用に制限があることが影響していると見られる。
特に注目すべきは、動画配信サービスの利用状況だ。1位はNetflixで、42%の高校生が利用していると回答。「Netflix限定の映画とドラマが面白いから」という声や、「親子で入会している」といったコメントが寄せられた。2位はAmazon Prime Video(36%)、3位はTVer(32%)と続く。
若年層のテレビ離れが叫ばれて久しいが、TVerの人気は、従来のテレビ番組への関心がまだ健在であることを示唆している。「見逃した番組が見られるから」という理由で、ドラマやバラエティ番組を視聴する高校生が多いようだ。
写真加工アプリの利用状況も興味深い。1位はInstagramで36%の高校生が利用。「アプリが元から入っているので使いやすい」「加工が強すぎないフィルターが多い」といった理由が挙げられた。2位のSNOW(20%)、3位のMeitu(19%)も、それぞれ独自の特徴で支持を集めている。
SNSの多様化と新たなトレンド
高校生のデジタルライフは、単に動画視聴や写真加工にとどまらない。近年注目を集めているのが、加工禁止のSNS「BeReal」だ。1日1回、ランダムな時間に通知が届き、2分以内に内カメラと外カメラで同時に撮影した写真を投稿するという独特の仕組みが特徴的だ。
BeRealの人気は、既存のSNSへの反動とも言える。Instagramでは写真加工が当たり前になっている一方で、BeRealは「今」の瞬間を無加工で共有することに価値を見出している。ある高校生は「インスタと比べて『今』感が強い」と評価し、別の高校生は「思い出を振り返れるのが魅力」と語る。
しかし、これは加工文化の衰退を意味するわけではない。むしろ、高校生たちはBeRealとInstagramを使い分けている。BeRealでは無加工の自然な姿を、Instagramでは加工された理想の姿を投稿するという具合だ。この使い分けは、デジタルネイティブ世代の巧みなメディアリテラシーを示していると言えるだろう。
新たなトレンドも生まれつつある。例えば、「首下界隈」と呼ばれる写真投稿スタイルだ。これは、顔を載せずに首から下だけを撮影するもので、Xを中心に広がっている。顔を隠す加工をせずにファッションを紹介できる点が支持されているようだ。
さらに、フード系のトレンドとしては、新宿歌舞伎町にオープンした「ショートケーキカンパニー」が注目を集めている。お一人様用のホールケーキが、そのサイズ感とビジュアルで話題になりつつあるという。
このように、高校生のデジタルライフは常に進化を続けている。彼らは新しいサービスや表現方法を柔軟に取り入れながら、自分たちなりの使い方を確立していく。今後も、彼らの行動から目が離せそうにない。
【関連リンク】
・アイ・エヌ・ジー、イマドキ高校生がよく利用する動画配信サービスなどを発表(Screens)
https://www.screens-lab.jp/article/29936
TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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