「あらゆる人に機会を」日本最大級のスキルマーケット「ココナラ」が目指す世界とは
「ココナラ」は、会員数423万人、80万件のサービス数を誇るマッチングプラットフォームです。
「一人ひとりが『自分のストーリー』を生きていく世の中をつくる」を経営ビジョンとしインターネットを通じて好きなこと、得意なことを売り買い出来るサービスを展開してきました。
コロナ禍や政府の働き方改革の影響で副業や新たな仕事をスタートする方が増える一方で、自分の特技やスキルが通用するのか不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
今回は、ココナラ広報の柳澤芙美さんに、今年10月に新たにスタートした新事業やユーザーの活用事例、今後のビジョンについてお話をお伺いしました。
ココナラスキルマーケットは、2011年にウェルセルフとして創業し、2012年7月にワンコインで個人のスキルや知識を売買できるサービスマーケットプレイス「ココナラ」を開設、2021年に東証マザーズ(現・グロース市場)に上場しました。
ココナラは、個人法人、プロアマ問わず、意志さえあればいつでも社会とつながり、活躍できる世の中にしていきたいと考えています。
事業内容としては、個人の知識・スキル・経験に基づくスキルマーケットを主軸として、売上の1割を占めるココナラ法律相談所に加えて、ITフリーランスと企業の業務委託案件をつなぐ「ココナラテックエージェント」、今年10月には新たに3つの事業をローンチしました。また来年には、みずほ銀行との合弁会社「株式会社みずほココナラ」を設立予定です。
トップクリエイターと企業のマッチングを創出する「ココナラプロフェッショナル」、ハイレベル人材を活用して企業の経営課題を解決する「ココナラハイコンサル」、優秀なアシスタントがビジネスをサポートする月額制サービス「ココナラアシスト」の3つになります。
ビジネスシーンでの利用が増える中で、あらゆるニーズへの対応を目的として、これまでの単発でオンライン完結のEC型のサービスマーケットプレイスだけでなく、長期・プロジェクト、対面も可能なエージェント型まで網羅すべく新たなスタートを切りました。
ーココナラには数多くのカテゴリーがありますが、どのようなサービスが人気ですか?
現在、450を超えるカテゴリーがありますが、イラストやデザインなどが上位を占めています。
占いや悩み相談なども件数が多く、私がココナラに入社した2017年当時は売上の7割が占いでした。
日本には欧米に比べてカウンセリングを受ける習慣がないので、私的な悩み相談は占いに集約されているのかもしれません。
オンラインによる相談に敷居の高さや不安を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、ココナラでは、出品者の実績や購入者からの評価、返信速度などあらゆる情報を可視化することで、購入者の期待に沿ったマッチングを目指しています。
「自分にスキルがあるか分からない」というご相談を受けますが、その際には「周囲の人によく訊ねられることは何ですか?」「3年前の自分にアドバイスしたいことは何ですか」とお伺いしています。
あなたの得意は誰かの苦手ですから、自信を持って最初の一歩を踏み出してください。
また、ココナラが用意している出品フォーマットがありますので、経験やスキルなど全ての項目を埋めていただけたらご自身のスキルが可視化されてマッチングしやすくなると思います。
ー最初の一歩を踏み出すことが大事なのですね。具体的な成功事例はありますか?
営業資料の作成で月10万円以上を売上ている新卒4年目の方は、起業を目指していることもあり、企業とのオンライン上のコミュニケーションスキルの向上にも役に立っているようです。
また、都内で飲食店を3店舗経営してきた方は、セカンドキャリアとして店舗の売却や経営のコンサルをココナラでスタートし、見事人気店を作ることに成功しました。
さらに、松竹芸能所属の2年目芸人の「イエスマン」さんは、ココナラで放送作家にネタの指導を依頼して、2022年のM-1グランプリで見事3回戦に進出しています。
1人では難しくても、誰かの力を借りれば出来ることはたくさんありますから、ココナラを通じてみんなが得意なことを活かしあって生きている世界を実現したいです。
大学を定年退職した後、長年培ってきた古文書関連のスキルを活かして「古文書解読サービス」を提供する⽺雲庵(よううんあん) さんという方が出品されている「古文書解読サービス〜古文書や掛軸を読みます。昔の文書や、達筆な手紙、掛け軸などが読めずにお困りの方へ」というサービスです。
戦死なさったお祖父様が戦地から家族に送った手紙を解読されたエピソードが感動的でした。ご依頼されたお孫さんがお盆に親族が集まる時に、皆さんの前でその手紙を読んでお祖父様を偲んだそうです。
2011年3月に発生した東日本大震災で、当時はまだ浸透していなかったTwitterを通じて、現在の取締役会長の南章行と、フェローの新明智さん、谷口明依さんの3人が出会い「ウェルセルフ」を創業しました。
南は大切な友人を亡くしたことも重なり「生きていればなんでもできる」「生きることに寄り添ったなにかに携わりたい」という思いからヘルスケア領域のサービスを立ち上げました。
その後、リサーチを続けるなかで、健康を増進するスキル・知識を提供できる領域が限られていることにジレンマを抱えている栄養士さんや看護師さんがいることを知り、「人の役に立ちたい」という想いをつなぐECサービスとして「ココナラ」が生まれました。
ー東日本大震災がきっかけだったのですね。今後のココナラの展望などはありますか?
はい、我々は現在「ココナラ経済圏」の構築に取り組んでいます。
「ココナラ」は創業から12年が経過し、EC型オンラインであるというプロダクトの独自性と、CMなどを駆使したマーケティングによって、スキルマーケット領域での知名度の獲得と事業成長を続けてきました。
とはいえ、スキルマーケットがカバーできている領域はまだほんの一部です。
今後は、出品者も購入者も、一人ひとりがあらゆる制約にとらわれず、より活躍できる世界を作るため、スキル(サービス)のやり取りをする上でどんなニーズも取りこぼさない、全てがそろうマッチングマーケットプレイスの構築を目指していきます。
key point
- 「ココナラ」は会員数423万人、80万件のサービスを誇る日本最大級のスキルマーケットである。
- 「一人ひとりが『自分のストーリー』を生きていく世の中をつくる」を経営ビジョンとし、インターネットを通じていつでもどこでも、好きなこと、得意なことを売り買い出来るサービスを展開している。
- 個人の「知識・スキル・経験」に基づくスキルマーケットを主軸として、ココナラ法律相談所に加えて10月には3つの新サービスがスタートした。
- ココナラは2011年7月に現在の取締役会長の南章行氏が東日本大震災でTwitterを通じて知り合った新明智氏と谷口明依氏の3名で「ウェルセルフ」として創業した。
- 法人から個人まであらゆるサービスを提供できるマーケットプレイスとなる「ココナラ経済圏」の構築を目指している。
テクノロジーの発達によるSNSの普及やコロナ禍オンライン需要により、私たちの消費行動や働き方は大きく変化しました。
総務省による「シェアリングエコノミー活用推進事業」の推進や厚生労働省による「働き方改革実行計画」は、ココナラが目指している「一人ひとりが『自分のストーリー』を生きていく世の中をつくる」追い風になることでしょう。
個人と社会のつながりが多様化し、より自由に自分らしく生きていけるようになりつつある今、ご自身の経験や知識を棚卸しして、ココナラで新たな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
intervieweeプロフィール
柳澤 芙美(やなぎさわ ふみ)
株式会社ココナラ マーケティンググループ 広報・PR リーダー
大学卒業後、証券会社の法人営業を2年経験。雑誌で読んだ広報の仕事に感銘を受け会社を辞めて、広報の専門学校である「Efap Japon」で2年間広報を学ぶ。
その後、寝具メーカー、ウエディング会社の広報に従事した後、2017年8月より株式会社ココナラの掲げる 『一人ひとりが「自分のストーリー」を生きていく世の中をつくる』というビジョンに共感し、ココナラに参画。個人のミッションは「世界の不均衡を均衡にすること」
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PHOTO:iStock
TEXT:PreBell編集部
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