光回線の工事って何をするの? 必要なこと、工事内容、費用を徹底解説!
光回線を利用するためには、多くの場合で工事が必要となります。しかし、意外と工事までに時間が必要だったり、事前に確認すべきことがあるなど、ややこしさを感じることも多いでしょう。
そこでこの記事では、光回線をスムーズに導入できるよう、なぜ光回線の利用に工事が必要なのか、事前に何を準備すべきなのか、工事内容はどんなものなのか、どれくらいの費用と期間を要するのかなどを解説します。工事の流れや費用を事前に確認したうえで工事の申し込みを行うようにしましょう。
POINT
- 光回線は原則として工事が必要。光ファイバーケーブルを住宅内に引き込むため
- 光回線工事は壁に穴を開けずに工事が可能だが、状況によっては穴開けが必要なことも
- 申し込みから工事までは1ヶ月~2ヶ月程度。余裕を持って申し込みを
光回線の利用に工事が必要となる理由、それは有線接続・無線接続(Wi-Fi)関わらずインターネット回線を介して通信をするためには自宅内に「光ファイバーケーブル」を先に通さないといけないからです。
光ファイバーケーブルとは、インターネットのデータ通信に使われるケーブルのこと。このケーブルを使った光回線は高速のデータ転送に対応しているので、インターネットを快適に利用するために最適と言われているのです。
しかし光ファイバーケーブルは電柱に張られているため、各家庭で光回線を利用するためには、光ファイバーケーブルを電柱から住宅の中に引き込む必要があるのです。
光回線工事の申し込みを検討しているのであれば、工事で使用する通信機器、工事の内容、費用、申し込みから工事までの期間について知っておきたいところです。
そこで以下に光回線の工事を行うにあたって知っておきたい内容をまとめました。
光回線の工事で使用する通信機器に「光コンセント」と「ONU(光回線終端装置)」があります。
光コンセントとは「光」と書かれた電話線のような差込口があるコンセントのことで、電源コンセントと一体化しているタイプと、光コンセントのみ単独で設置されるタイプに分けられます。
すでに光コンセントが設置されている住宅であれば工事の必要はありませんが、設置されていない場合は、光ファイバーケーブルの引き込み作業と含めて光コンセントを設置する必要があります。物件の内覧の際などには、光コンセント有無を見ておくとよいでしょう。
ONUとは光回線とパソコンをつなぐ装置のことです。光回線の信号とパソコンの信号では種類が異なっているため、ONUがそれらの信号を変換することで通信を可能にします。別途、ONUと無線LANルーターを接続することで、Wi-Fiが利用できるようになります。
光コンセントは工事の業者が準備しますが、ONUは光回線を申し込むとNTTなどの回線事業者から無料レンタルというかたちで自宅に配送されることがほとんどです。
光回線の工事は以下の流れで行われます。なお、光回線の工事当日は立ち会いが必要です。当日の流れは以下です。
・自宅内に光ファイバーケーブルを引き込む
・光コンセントを設置する
・ONUを設置する
まずは自宅内に光ファイバーケーブルを引き込むために、電線に張られている光ファイバーケーブルを家の外壁まで配線します。
次に、光ファイバーケーブルを外壁から室内へと通します。光ファイバーケーブルを通す際、電話線の配管、またはエアコンのダクトを利用するなどして、できるだけ外壁に穴を開けないようにします。それらを利用して光ファイバーケーブルを通せない場合は、外壁に直径1cm程度の穴を開ける工事を行います。
光ファイバーケーブルを家の中に入れることができたら、光コンセントを設置する場所までケーブルを配線します。光コンセントを設置したら、ONUを設置し、光コンセントとONUをつなぎます。光回線が開通していることが確認できた時点で工事は終了です。
その後、ONUとWi-FiルーターをLANケーブルで接続し、パソコンやスマートフォンなどの接続設定を行えば、自宅内で光回線が利用できるようになります。
光回線の工事が行われるのは、申し込みをしてから1ヶ月~2ヶ月後程度が目安となります。
なお、春の引っ越しシーズンは特に混み合って予約が取れず、工事日程が先延ばしになりがちですので、早めに申し込んでおくことがおすすめです。
工事にかかる時間は1時間~2時間程度が目安となります。ただし、工事の状況によっては作業時間が前後する場合もあります。
光回線の工事費はプロバイダーによって異なり、15,000~40,000円程度が費用の目安となります。
なお、新規申し込みや乗り換えのキャンペーンを行っている場合は、割引を受けられたり、あるいは無料で工事を行えたりすることもあります。光回線の申し込みを行う場合は、事前にキャンペーン実施の有無をチェックしておくとお得に工事ができるかもしれません。
なお、条件によっては光回線の工事ができない場合があります。それは以下の場合です。
・光回線が利用できるエリアではない
・管理会社や大家の許可が得られない
・マンションで、別会社の光回線がすでに開通している
次の項目ではそれぞれのケースについて解説します。
光回線が利用できるエリアでなければ、そもそも光回線の工事が行えません。
NTT東日本とNTT西日本が提供している「フレッツ光」は全国的に幅広くカバーしていますが、一部の地域はフレッツ光のサービスエリア外となっています。また、全国展開ではなく、一部の地域のみで展開している光回線のサービスもあります。
光回線のサービスはさまざまな事業者によって提供されています。プロバイダーによってサービスの提供エリアは異なるので、利用したい光回線のサービスが自宅のエリアで提供されているかどうかを確認しておきましょう。
▼提供エリアの確認方法はこちらの記事でチェック!
マンションやアパート、戸建の貸家に光回線を引きたい場合、管理会社や大家に相談して工事の許可を得る必要があります。もし、管理会社や大家の許可を得られなければ、光回線の工事を行うことができません。
管理会社や大家が光回線の工事を許可しない主な理由としては、建物の傷みをできる限り抑えたいことがあげられます。先に説明した通り、光回線の工事は状況によって壁に穴あけをしなければならない場合もあり、建物が傷む原因となってしまうからです。
そのため、管理会社や大家としては、入居人が工事を行うならばその内容を確認したいと考えるのです。
なお、管理会社や大家が光回線の許可を出さないからと、入居者が勝手に工事を行ってはいけません。賃貸物件の契約書には「工事を行う場合には許可を得ること」という内容が記載されているため、許諾手続きを行わずに勝手に工事を行うと契約違反となってしまいます。
マンションなどの集合住宅で光回線を利用する場合は、マンション側が指定した光回線を利用しなければならないケースがあります。そのため、個人的に光回線を引けない場合がある点に注意しましょう。
なお、マンションの居住者であっても、個人的に光回線の工事を依頼することは可能ですが、さまざまな条件によって工事ができない場合があります。
例えば、マンション内で共有されているインターネット設備「集合装置」において、ケーブルをつなぐ箇所である「ポート」が不足していると、新規に光ファイバーケーブルを接続できず、光回線を利用することができません。
また、マンションの部屋が電柱よりも高い位置にある場合、光ケーブルを建物に引き込むことが困難となってしまいます。
個人的に光回線を契約する場合「戸建てタイプ」の扱いとなるため、部屋が1階、または2階であれば、戸建の住宅と同様に光回線の工事が可能な場合があります。
しかし、部屋が3階以上になってしまうと、電柱から回線を直接引き込めないために、光回線の工事が行えないことがあります。
マンションに入居して光回線を利用する場合には、どの会社の光回線が導入されているのか、ということをあらかじめ確認しておくと良いでしょう。光回線には「フレッツ光」「auひかり」などの種類があり、料金などのプランもさまざまです。希望する会社の回線が導入されていれば工事は不要です。希望する会社の光回線でない場合は、個人でも光回線の工事が可能かどうかを入居前に管理会社または大家に確認しておきましょう。
工事が可能であれば入居した後に光回線を自由に選べるほか、変更も簡単に行えるため、快適にインターネット接続ができます。もし工事ができない場合は、他のマンションへの入居を選択肢に入れておくと良いでしょう。
光回線は、光ファイバーケーブルを住宅内に引き込む必要があるため、原則として工事が必要となり、工事の立ち会いが必要であることを理解しておきましょう。
また、申し込みから工事までの期間は通常1ヶ月~2ヶ月程度がかかります。光回線を利用したい場合は、余裕を持ったお申し込みを。現在はスマホでの申し込みも簡単ですので、早めに申し込んでおくのがおすすめです。
光回線は高速な通信速度でインターネットを利用できる点がメリットです。インターネットの快適性を高めるためにも、光回線の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
光回線の導入を検討している方は必見! 連載マンガ「インターネット勇者、Wi-Fiを知る」の主人公、インターネット勇者と一緒に快適なネット環境を手に入れる冒険に出よう。
知っているようで意外と知らないインターネット回線の開通までの道のりや、快適なネット環境の作り方などをマンガでわかりやすく解説します。
▼第1話
冒険のはじまり~通信量オーバーであっという間にギガ難民。一人暮らしでもWi-Fiが必要だ!~【勇者、Wi-Fiを知る】
PHOTO:PhotoAC/Unsplash/Pixabay/Pexels
TEXT:PreBell編集部
この記事を気にいったらいいね!しよう
PreBellの最新の話題をお届けします。