GoogleとチャットGPT、検索に適しているのは?
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2023.08.09 GoogleとチャットGPT、検索に適しているのは?

米マイアミ大学の研究者らは米Googleが提供する検索エンジン「Google」と米新興オープンAIが開発した対話型AI(人工知能)「Chat(チャット)GPT」を比較した研究論文を発表した。

米マイクロソフトはチャットGPTの基盤となる大規模言語モデル「GPT-4」を用いた生成AIを検索エンジン「Bing」に統合した。すると、Bingのトラフィックは大幅に増加した一方、Googleは1%ほど減少した。こうした変化を踏まえ、生成AIが従来の検索エンジンにどのような影響を与えるかを調べた。

検索エンジンでは調べたいキーワードを入力すると、関連するサイトの情報が表示される。チャットGPTでは会話と同じような話し言葉を入力することで、文章での回答が得られる。従来のようにリンクを開いて内容を読み比べる手間を省くことができる一方、誤情報が含まれる可能性が指摘されている。

研究では検索ツールを利用したオンライン実験を実施。チャットGPTを利用した参加者はより短い時間でタスクを完了していることがわかった。学歴を問わず、利用者の検索パフォーマンスを均一化する特徴も見られた。一方、Googke検索では何度も試行錯誤をして情報を見つける必要があり、利用者の学歴に依存する結果となった。

チャットGPTは検索を効率化する一方、深く探究する欲求を奪う可能性も示唆されている。チャットGPTのもっともらしい回答で満足してしまい、追加の検索を躊躇する傾向が見られたという。

GoogleとチャットGPTは一長一短

米カリフォルニア大学に所属する科学者らもGoogleとチャットGPTを比較する研究を行った。重篤な病気に関する正確な情報を求める場合、どちらを利用するべきか調べたところ、どちらにも長所と短所があることがわかった。

Googleは最新の情報を閲覧できるが、検索結果は情報発信元によって偏りが見られた。一方、チャットGPTはより客観的な情報を提供するが、情報の古さや信憑性に問題があった。

同大教授のヴァゲリス・フリスティディス氏は「両方の最良の特徴を選択すれば、より良いシステムを構築することができるだろう」と指摘する。

【関連リンク】

・「ChatGPT vs. Google」どっちで検索する? 95人を対象に米研究者らが違いを調査(IT media NEWS)
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2307/24/news053.html

・Google & ChatGPT have mixed results in medical info queries(UCR News)
https://news.ucr.edu/articles/2023/07/28/google-chatgpt-have-mixed-results-medical-info-queries

TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock

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