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分散型SNSとは?メリットとデメリット、有名な4つのSNSを紹介

SNSが自分自身の表現の場として重要だと考えている方は多いでしょう。しかし、最近の中央集権型SNSに不安や不満を感じていませんか?

個人情報の取り扱いや、企業による一方的な規制、思わぬサービス変更など、ユーザーが不利益を被るケースが増えています。

そこで注目を集めているのが、新しいソーシャルメディアの形態である「分散型SNS」です。

この記事では、プライバシーを守りながら透明性の高いSNSを実現する分散型SNSについて解説します。

分散型SNSとは

分散型SNSとは

分散型SNSは、新しいソーシャルメディアの形態として注目を集めています。

その最大の特徴は、中央サーバーを介さずにユーザー同士がデータやプラットフォームの管理を分散化している点です。

特定の企業によるデータの独占を防ぎ、ユーザーのプライバシーをより守ることができます。

また、分散型SNSではブロックチェーン技術が採用されてるため、ユーザーのデータや取引履歴を安全に記録できます。

分散型SNSは管理権限を与えつつ、プライバシーを守りながら、安全で透明性の高いSNSであると言えます。

中央集権型SNSとの違い

中央集権型SNSとは、Facebook、Instagram、X(旧Twitter)などのように、特定の企業や組織がサーバーやデータを一元的に管理しているSNSのことです。

このタイプのSNSには、機能が充実していたり多くのユーザーが利用していたりするため、コミュニケーションや情報収集がしやすいというメリットがあります。

しかし一方で、企業が特定の投稿を削除したり、ユーザーアカウントを停止したりする可能性があります。

また、プラットフォームの運営が企業に依存しているため、企業の方針によってサービスが思わぬ形で変更されるデメリットもあります。

実際、最近ではXでいいね機能が非表示になったことが話題になりました。

参考:https://x.com/XEng/status/1800634371906380067

分散型SNSが流行らないと言われている理由

分散型SNSが流行らないと言われている理由

注目を集める一方で、分散型SNSは流行らないとも言われています。

分散型SNSが広く普及していないのには、X(旧Twitter)やInstagramなどの既存の人気SNSで満足しているユーザーが多数存在していることにあります。

コミュニティやインフラがすでに確立されているため、分散型SNSへの移行が必要ないと感じることが主な要因です。

既存のSNSは多くのユーザーを抱え、その中で友人や家族、関心のあるコミュニティとつながることができるため、ユーザーにとって新しいプラットフォームへ移行する動機が薄いのが現状です。

分散型SNSのデメリット3つ

分散型SNSにはいくつかのデメリットがありますが、代表的なものを3つ挙げると以下のとおりです。

環境設定のハードルが高い

ユーザー自身で環境設定を行わなければならないので、専門的な知識がないと利用が難しいという点が挙げられます。

アカウント登録時、コンテンツ閲覧や投稿時にトークン購入が必要な場合の手数料など、費用がかかる可能性も考慮する必要があります。

不適切なコンテンツが流通しやすい

明確な管理者がいないため、スパムや誹謗中傷などの不適切なコンテンツが流通してしまうリスクも抱えています。

そのため、ユーザー同士が相互に管理し、ガイドラインを策定することが必要となるでしょう。

自由度は高いが複雑

自由度が高いがゆえに、使い方が複雑で分かりにくい、またはコミュニティが多様すぎて自分に合ったものを見つけにくいと感じるユーザーもいるようです。

個人情報を含む投稿を行ってしまうと複数のサーバーにデータが残ってしまうため、完全に削除することが難しく個人情報漏洩のリスクも生じます。

分散型SNSのメリット3つ

分散型SNSのメリット3つ

分散型SNSにはデメリットがある一方で、従来の中央集権型SNSにはない、魅力的なメリットもあります。

非中央集権的なエコシステム

特定の企業や団体に管理されず、ユーザー自身がルールを決めてコミュニティを運営できます。

つまり、検閲や一方的な規制のリスクが減少します。

ユーザーが主体となって機能改善を行い、コミュニティ全体でサービス向上を目指せるため、ユーザーのニーズに迅速に対応できる柔軟性があります。

データのポータビリティと相互運用性

特定のプラットフォームに縛られることなく、複数のサービスをシームレスに利用できます。

データポータビリティの高さは、プラットフォームを選択する自由度を高めるとともに、サービス間の競争を促進させます。

セキュリティとプライバシーの向上

データが複数のサーバーに分散されるため、中央集権型SNSに比べてハッキングやデータ漏洩のリスクが軽減されます。

さらに、自分に合った言論空間を選べるため、プライバシーを守りながら自由に表現できることも分散型SNSの魅力です。

分散型SNSの代表例4選

分散型SNSとして特に有名なのはMastodonとMisskeyです。これらは真の分散型ネットワークを構築し、自身で独自のサーバーを運営できる点で注目されています。

BlueskyやSteemitも分散型技術を取り入れていますが、完全な分散型とは異なる側面を持っています。

Mastodon(マストドン)

Mastodon(マストドン)

Mastodonは、ActivityPubプロトコルに基づくオープンソースの分散型SNSで、自分自身のインスタンス(サーバー)を運営できる点が特徴です。

各インスタンスが独立して運営され、相互に連携することで一つのネットワークを構築しています。プライバシーと自由な表現を重視するユーザーに支持されています。

Misskey(ミスキー)

Misskey(ミスキー)

Misskeyも分散型のSNSで、Mastodonと同様にActivityPubプロトコルを利用しています。

日本発のプロジェクトで、インターフェースや機能のカスタマイズ性が高く、ユーザーコミュニティからの評価が高いです。

Bluesky(ブルースカイ)

Bluesky(ブルースカイ)

元TwitterのCEOであるジャック・ドーシー氏が推進していたプロジェクトで、分散型プロトコル「AT Protocol」に基づいています。(ジャック・ドーシー氏は5月に取締役を退いています)

Blueskyは、中央集権的なプラットフォームの問題点を解消しようとする新しい試みです。

Steemit(スティーミット)

Steemit(スティーミット)

Steemitは、ブロックチェーン技術を利用したSNSで、コンテンツの投稿や評価に対して仮想通貨で報酬を得ることができます。

分散型SNSというよりは、分散型報酬システムを持つSNSと言えます。

まとめ

本記事では、中央集権型SNSとは異なる形態である分散型SNSについて解説しました。

分散型SNSは、ユーザー同士がデータやプラットフォームの管理を分散化している点が特徴です。

従来のSNSとは異なり、非中央集権的なエコシステムによるプライバシー保護や自由な言論空間の提供などのメリットがあります。

本記事を通じて、SNSの在り方やプライバシーについて考え、分散型SNSの可能性を知るきっかけとなれば幸いです。

TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock

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