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目指しているのは「不動産業界のインフラ」イタンジ株式会社が創造する未来とは

イタンジ株式会社は「テクノロジーで不動産取引をなめらかにする」をミッションに掲げ2012年に創業しました。

リアルタイム不動産業者間サイト「ITANDI BB」をはじめ、ネット不動産賃貸サービス「OHEYAGO」など最先端のテクノロジーを駆使したサービスで不動産業界のDX化を牽引してきました。

不動産業界の市場規模は74兆円を超えるマーケットであるにもかかわらず、紙や電話・FAXなどアナログなコミュニケーションが根強く残っていることに疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。

今回はイタンジ株式会社執行役員CTOの大原将真さんからイタンジ株式会社が提供するサービスや不動産業界のDXの現状、今後の展望などについてお話をお伺いしています。

イタンジ株式会社が提供する「仲介会社利用率No.1サービス」とは

イタンジ株式会社が提供する「仲介会社利用率No.1サービス」とは

ーイタンジ株式会社の業務内容を教えていただけますでしょうか?

イタンジ株式会社は、創業以来テクノロジーの力でDXを推進することにより、不動産業界の構造から生まれる社会課題の解決に取り組んできました。

現在、4つの不動産賃貸業務支援サービスが「仲介会社利用率No.1」になるなど多くの不動産会社に導入いただき高い評価をいただいています。

ー具体的にどのようなサービスを展開しているのですか?

リアルタイムな不動産業者間サイト「ITANDI BB」をはじめ、いつでも内見予約ができる「内見予約くん」、WEB申込受付システム「申込受付くん」、オンライン上で契約が完結する「電子契約くん」、顧客管理・自動物件提案システム「ノマドクラウド」などを展開しています。

エンドユーザー向けのサービスとしては、「いますぐ内見。あらたな体験」をコンセプトに、物件探しから入居申込、契約までがオンラインで完結するネット不動産賃貸サービス「OHEYAGO」を運営しています。

複雑な構造や慣習を乗り越えて、テクノロジーの力で課題を解決したい。

複雑な構造や慣習を乗り越えて、テクノロジーの力で課題を解決したい。

ー不動産業界はDX化が遅れていると言われていますが、その理由をどのようにお考えですか?

業界全体の母数に対する中小零細企業の割合が高く、大企業が少ないことが大きな原因のひとつになっているのではないでしょうか。

大企業に比較するとシステム導入に投資するだけの資金力が小さく、現状の仕組みで一定の成果を挙げているのであれば、抜本的な改革に取り組む意味を見出せないかもしれません。

また、業界内には、複雑な構造や独自の慣習が多く存在しており、アナログのコミュニケーションが主流になっていることもDX化が遅れる原因になっています。

ー不動産業界の現場ではどのような課題があるのでしょうか?

空室確認を電話でしなければならなかったり、入居希望者と電話やFAXでのやり取りが多かったり、誰もが不便と感じているはずなのに慣習的に続けられていることが数多くあります。

不動産業界は、労働生産性が高い業種ではないので、デジタル化による効率化は必須課題です。

テクノロジーを駆使して、自動化することで、お客様に真摯に向き合うなど、本来時間を割くべき大切な業務に集中できるのではないでしょうか。

ー「ITANDI BB」などによるDX化は、かつて問題になっていた「おとり物件」にも効果があるのでしょうか?

直近の2022年の大手主要サイトへの検証によると「おとり物件」の割合は8.7%と報告されています。

おとり物件の定義は「実際には契約することができないが、物件ポータルサイトなどに募集中として掲載されている物件情報のこと」です。

「おとり物件」に対する罰則がないため、不動産業者が故意にやっている可能性は否定できませんが、システム連携の反映が遅れているために消費者目線で「おとり物件」になっているケースが数多くあります。

「ITANDI BB」は、サイト上の賃貸物件への入居申込と募集情報を即座に同期させるため、「OHEYAGO」と連携させることで賃貸可能な物件の検索を実現し、「おとり物件」の削減に貢献してきました。

お客様の意識やニーズも大きく変化している。提供したいのは「新たな体験」

お客様の意識やニーズも大きく変化している。提供したいのは「新たな体験」

ーイタンジ株式会社はさまざまな課題を解決してきたのですね。テクノロジーの発達によってお客様の部屋探しも変化しているのでしょうか?

当社の「OHEYAGO」によるZ世代(18歳〜26歳)を対象に実施した「Z世代の部屋探しに関する調査」では67%が「SNSで部屋を探した経験がある」と回答しました。

また、遠方への転勤で転居する際に「現地に行かない部屋探しを希望する人」は約43%で、現地に行かない場合のお部屋探しでは「スマホのビデオ通話などを使ったオンライン内見」で22.5%、次いで「VR内見」15%という結果でした。

若い方を中心にお客さまの意識変革が起こっているのではないでしょうか。

ー今後、OHEYAGOが提供するセルフ内見が浸透した場合、リアルな店舗はなくなってしまうのでしょうか?

セルフ内見を好まれる方からは「自分のペースで内見できる」「内見スタッフがいると落ち着かないのでセルフ内見の方が良い」という声が聞かれました。

特に、利便性や手数料を重視する若い方から好評をいただいているので、これからも「新しい体験」を提供できればと思います。

ただ、従来通り「内見スタッフの提案や意見を参考にしたい」「人と会って話したい」という方もいらっしゃるので、店舗がなくなるというよりは住み分けが進むのではないでしょうか。

ーイタンジ株式会社として今後の課題や展望などはありますか?

ーイタンジ株式会社として今後の課題や展望などはありますか?

課題のひとつに「OHEYAGO」のエリア拡大があります。最初の構想では、スマートロックで電子化を図る予定でしたが、現状は、内見スタッフが鍵の解錠のみ行うオペレーションで、お客様が自由に内見をするというシステムになっています。

全国展開する際には、テクノロジーでDX化させる部分と人によるオペレーションのバランスが重要になるでしょう。

将来的には、イタンジでは既に浸透しているエンドユーザーとのLINE連携、タイムラグが発生している物件情報をリアルタイムで確認できるサービスなどを業界全体に広げていきたいです。

当社が提供するサービスを通じて、暮らしと人をつなぐ「不動産業界のインフラ」を実現し、不動産業関係者の残業時間減少・リモートワーク推進・収益拡大・就労支援など、持続可能な業界構造の構築に取り組んでいきたいと思います。

終わりに

イタンジ株式会社の挑戦は、不動産業界を変革する礎となる

key point

  • 2012年に創業したイタンジ株式会社は「テクノロジーで不動産取引をなめらかにする」をミッションに掲げ、不動産業界の社会課題の解決に取り組んできた。
  • 「内見予約くん」「申込受付くん」「電子契約くん」「ノマドクラウド」の4つの不動産賃貸業務支援サービスで仲介会社利用率No.1を獲得している。
  • 不動産業界は、母数に対する中小零細企業の割合が高く、大企業が少ないことがDX化が遅れる原因のひとつになっている。
  • SNS検索によるお部屋探しやオンライン内見の浸透などテクノロジーの発達により、お客さまの意識も大きく変化している。
  • テクノロジーを駆使して、不動産業関係者の残業時間減少・リモートワーク推進・収益拡大・就労支援など、持続可能な業界構造の実現を目指している。

いかがでしたでしょうか?

近年のテクノロジーの発達とコロナ禍により不動産業界を取り巻く環境は大きく変化しました。さらに、将来的には人口減少の局面を控え、変革を余儀なくされています。

イタンジ株式会社は、2012年の創業から現在に至るまで、不動産業界において不便を感じる構造を変えるべくさまざまな課題に挑んできました。

不動産業界に特化したVertical SaaSとして、深く領域を広げているイタンジ株式会社の挑戦は、不動産業界を変革する礎となるでしょう。

intervieweeプロフィール

大原 将真氏

大原 将真
イタンジ株式会社 執行役員/CTO

中央⼤学商学部卒。卒業後、野村證券株式会社に総合職で⼊社し、リテール業務に従事。その後エンジニアに転業し、ECサイトの開発責任者やB2B向けシステムの新規⽴ち上げの開発・運⽤に携わる。2020年3⽉にイタンジに⼊社し、主にOHEYAGOや基盤プロダクトの開発、SREの責任者を担当。現在は開発本部部部長として、開発、マネジメント、テックリードの他、採⽤や技術広報も担う。2023年11⽉1⽇、執⾏役員CTOに就任。

PHOTO:iStock
TEXT:PreBell編集部

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