「IP(アイピー)電話」の基本的なことから知りたい!他の電話回線との違い、メリットは?
従来の電話回線に比べ、通話料が圧倒的に安いことなどから注目され、最近ではビジネスシーンでの活用も広がる「IP電話」。しかし、名前は聞いたことあるけど詳しくは知らないという人も多いのではないでしょうか? 今回は、従来の電話とIP電話の違いや、IP電話の種類、メリット・デメリットについて詳しく解説します。
目次
IP電話とは、IP(Internet Protocol・インターネットプロトコル)という通信方式を利用した電話サービスのことで、インターネットに接続して音声を届ける通話方法となります。プロバイダの多くがIP電話機能の提供をはじめています。
従来の電話は、基地局を経由して相手に声を届けていましたが、IP電話はメールなどと同じように声をデジタル化して、相手の元に届けて復元することで、通常の音声通話と同じような品質を維持しています。
IP電話は、NTTの「ひかり電話」などをはじめとする「0AB-J(ゼロ・エイ・ビー・ジェイ)型」と「050(ゼロ・ゴー・ゼロ)型」という、電話番号が割り当てられるタイプの2種類と、「LINE」「スカイプ」「Facebookメッセンジャー」など電話番号が割り当てられないタイプ(電話番号不要型)にわけられます。
東京「03」などから始まる一般電話と同じ、0から始まる10ケタの電話番号が割り当てられます。また、アナログ電話と同等の安定した通話品質が追求されており、電話同士の遅延が起こりにくくするための規定があります。ひかり電話は、NTT東日本・NTT西日本が提供する光ファイバーを用いています。
「050」から始まる11ケタの電話番号が割り当てられ、スマートフォンなどでも利用をすることができます。しかし、「0AB-J型」ほど通話品質に厳しい規定があるわけではありませんので、通話する環境などから影響を受けやすいことが考えられます。
また、050(IP)電話はプロバイダーごとに電話番号が指定されているため、プロバイダーを変更する場合は電話番号も変更となります。
最近増えているのが、LINEやFacebookメッセンジャーなどの電話番号のないタイプです。これは、従来の回線交換方式ではなく、VoIP(Voice over IP)技術を用いたデータ通信による音声通話で、インターネット上の仲介サーバーを通してデータに変換した音声を送り合います。
かつて、アナログ回線が主流だったころは、電話をかけると、ダイヤルにより電話交換機に相手の電話番号を伝え、各地の基地局を経由して通話ができるしくみでした。そのため、電話の相手との距離が遠くなればなるほど通話の品質が低下するにも関わらず、通話料金は上がっていきます。
いっぽう、IP電話は、音声をデジタル変換してからインターネットで相手の元まで届けて音声に復元することにより通話ができます。そのため、距離が離れていても通話の品質が低下しにくくなります。また、多くのプロバイダーが通話料金を一定や無料としていますので、従来型の電話回線と比較して割安な料金で通話ができます。ただし、海外との通話はIP電話のサービスによって料金などが異なりますので、注意が必要です。
IP電話の大きなメリットは「料金の安さ」です。基本料金が一般の電話回線と比較して格段に安いだけではなく、同じプロバイダー同士などであれば通話料が無料になる場合がほとんどです。「0AB-J型」「050型」「電話番号不要型」のメリットとデメリットを簡単にまとめると以下の通りとなります。
メリット
- 通話料が無料になる可能性が高い
- フリーダイヤルにも電話ができる(※)
※プロバイダーによって条件がことなりますので、プロバイダーのサービス内容を確認してみましょう。
デメリット
- 音質が回線状況に依存する
メリット
- 基本料金・通話料金が格段に安い
- スマートフォンの電話と併用できる
- IP電話同士は通話料が無料になる可能性が高い(※)
※プロバイダーによって条件がことなりますので、プロバイダーのサービス内容を確認してみましょう。
デメリット
- 音質が回線状況に依存する
- スマートフォンを使って電話をする場合、周囲の電波状況に依存する
- フリーダイヤルには電話できないため、IP電話からフリーダイヤルにかけたい場合は、携帯電話と同様に専用の番号にかける必要がある
メリット
- スマートフォンの電話と併用できる
- 電話料金が無料
デメリット
- 音質が周囲の電波状況や回線の混み具合に依存する
- 電話をかける相手にもアプリのインストールが必要
- 一般電話とは通話ができない
- フリーダイヤルには電話できない
使い方次第で、毎月の電話料金を賢く節約できるかも?
通常の音声通話と同程度の品質を持ちながら、基本料金・通話料金が安い「IP電話」。独自の通話料が設定されているため、通話料を抑えられたり、中には基本料金が無料で使えるものもあるほどです。
フリーダイヤルや災害などの緊急時に弱いというデメリットもありますが、普段電話として使うぶんにはとてもお得なサービスと言えるのではないでしょうか。
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TEXT:PreBell編集部
PHOTO:Getty Images
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