「Tokyo Meta Living」は住まいや暮らしのアイディアを共有し自分らしい空間を作る
ほとんどの方にとって、マンション購入は人生で最も大きな買い物です。
資金のことを考えると広さはある程度妥協せざるを得ないですが、せめて間取りにはこだわりたいものです。
マンション購入を検討しはじめたばかりなのに契約を迫られるのでは?と、モデルルーム見学の敷居を高く感じている方も多いのではないでしょうか。
このような状況のなかで、東京建物株式会社は株式会社MetaLabと提携し、「Tokyo Meta Living」というメタバースサービスを提供開始したと発表しました。
今回は、東京建物株式会社の宮川新史様(住宅営業第二部広告宣伝グループ)と株式会社MetaLabの北祐一様より「Tokyo Meta Living」についてお話をお伺いしています。
(宮川)東京建物株式会社は総合不動産デベロッパーとして、オフィスビルやマンション、商業施設、物流施設などの開発、賃貸、管理などを行っている会社です。
当社では「Brillia」(ブリリア)というブランドで分譲マンションを開発しており、私が所属する広告宣伝グループでは「Brillia」の販売センターにおける営業サポートや広告支援などを日々の業務としています。
(北)株式会社MetaLabは株式会社Brave groupの子会社でプラットフォーム事業を行う会社です。
自社のBrave Engineを活用したサービスを提供するほか、エンジン自体を企業様に提供させていただき、企業様と一緒にサービスを展開しています。
「Tokyo Meta Living」とはどのようなものなのでしょうか?
(宮川)「Tokyo Meta Living」は、メタバース空間にマンションタイプの部屋を複数用意しており、ユーザーは間取りや家具を選んで自分らしい部屋をコーディネートできます。
コーディネートした部屋を投稿すると、他のユーザーとアイディアを共有することができます。また他のユーザーが投稿した部屋を見たり、気に入ったアイディアの部屋があれば「いいね!」を押して共感することも可能です。
ロビーでは他のユーザーとコミュニケーションができるほか、展示やイベント開催も予定しているので、メタバース空間を楽しみながら住まいのアイディアを得ることができます。
「Tokyo Meta Living」のテーマは共創
「Tokyo Meta Living」開発のきっかけはどのようなことだったのでしょうか?
(宮川)不動産業界においても近年DX化が推進されており、コロナ禍を経てオンライン接客も行われるようになりました。
他社様は仮想空間のモデルルームなどメタバースの取り組みをはじめていましたが、当社としてはそれだけでなく、もう少し楽しみながら住宅に触れてもらえるような新しい取り組みができないかと株式会社MetaLab様に相談し協議を重ねて形となったのが「Tokyo Meta Living」です。
「Tokyo Meta Living」のコンセプトを教えていただけますでしょうか?
(北)「Tokyo Meta Living」のテーマは共創、ともにつくることです。そこには東京建物様がお客様の声を聴いて、よりよい住環境作りにともに取り組んでいく姿勢が表れています。
他社様は、コロナ禍でモデルルームをリアルに見に行くのが難しいときに、仮想空間を活用してサービスを展開されました。東京建物様はモデルルームの仮想空間というアプローチではなく、新しい技術を活用して共創をテーマに何かできないかと検討されていました。
そして生まれたサービスコンセプトが「住まいや暮らしのアイディアを共有して自分らしい空間をつくること」です。
「Tokyo Meta Living」は他社のメタバースとどのように違うのでしょうか?
(宮川)他社様のメタバースはモデルルームの役割を代替する目的のものが多い印象です。こちらは、物件資料や説明用のパネルやシアターの映像が見られるので手軽に情報が得られとても便利だと思います。
一方で「Tokyo Meta Living」は、共創をテーマにしたコミュニティサービスを目指して、ゲーム感覚で楽しんでもらえる場にしました。そこが大きな違いだと考えております。
(宮川)将来的な住宅購入のターゲットになりうる若年層の方にも「Tokyo Meta Living」をゲーム感覚で触っていただきたいです。そして世代を問わず、住宅を身近に感じてもらい、自身の住まいを見つめ直すきっかけとなることで、住宅購入に対する心理的なハードルを下げられたら、と思います。
お客様の潜在的なニーズは、自宅などでリラックスした状態で出てくるものです。実際、「Tokyo Meta Living」ではスポーツジムみたいな部屋や推し活部屋など、リアルではなかなか作れない自由な部屋づくりがされていて、業界の常識にとらわれないアイディアがたくさんあります。
お客様には住宅を身近に感じてもらう場となり、弊社には接客時の会話やアンケートからは掴みきれない潜在的なニーズを知る場となるので、不動産とメタバースとは親和性が深いと思います。
自分らしい空間づくりを重視する人が増えている
コロナ禍以降、住宅に対するニーズは変化しているのでしょうか?
(宮川)コロナ禍はお客様が「自分が住まいに求めるものは何だろう」と、住宅に対するニーズを見直した時期でもあったと思います。
リモートワークができるようになり、あえて価格が高い都心は避けて、少し離れた場所で住環境を重視するお客様が増えてきました。
直近の1〜2年については建築費の上昇が著しく、限られた面積の中でどのように自分らしい空間を作るかが重視されていると思います。
「Tokyo Meta Living」で家具を配置するなどシミュレーションしている人はいますか?
(北)実際にシミュレーションを利用し、自分の部屋を表現して共有する方は、全体ユーザーの約2〜3割だと思います。それ以外の方は見て楽しんだり、「いいね!」を押したりして参加されているようです。
尚、「Tokyo Meta Living」の家具には「MEキャンパス」との共同プロジェクトによるものもあります。「MEキャンパス」はMetaLabが運営するメタバースの学校です。メタバースクリエイターコースで学ぶ学生が「Tokyo Meta Living」に設置する家具を制作するプロジェクトを進行中です。
今はまだリリースして日が浅いので、今後の課題はリピートして使っていただけるユーザーをどう増やしていくかというところです。
共創で生まれる新しいアイディア
ユーザーが「Tokyo Meta Living」を自由に楽しむと新しいアイディアにつながるのでしょうか?
(宮川)自分の作品を投稿機能で他のユーザーと共有して共感してもらったり、他のユーザーの投稿を見て刺激されたりすることで、さらにいいアイディアが生まれると思います。
そして当社に対しても「Brillia」の良いところや変えてほしいところ、こういう商品があったら面白いなどの会話を期待しています。設計やコストの検証はありますが、実際の商品作りの参考になるかもしれません。
我々もお客様の声に耳を傾け、潜在的なニーズを発見したいと思っています。それこそが「Tokyo Meta Living」が目指す共創です。
御社の今後の展望などはありますか?
(北)東京建物様とユーザーがどのような関係性を作るか、ユーザー同士がどのような関係性を作るか、そのためにどのようなユーザー体験を提供することが企業価値につながるかということを考えていきます。
(宮川)「Brillia」というブランドには「洗練と安心」という理念があり、その理念に共感したお客様にお住まいいただいています。コロナ禍を経て住まいのあり方に変化があるなか、「Tokyo Meta Living」を通じてお客様とコミュニケーションを取り、多様化したニーズを「Brillia」の商品企画に活かしていきたいと考えています。
key point
- 「Tokyo Meta Living」は住まいや暮らしのアイディアを共有して自分らしい空間をつくる場所である。
- 「Tokyo Meta Living」のテーマは共創である。
- 「Tokyo Meta Living」は、ユーザーに住宅を身近に感じてもらう場であり、ユーザーの潜在的なニーズを探る場である。
いかがでしたでしょうか。
マンション購入は一生に一度あるかないかの大きな買い物。絶対に失敗したくないものです。
メタバース空間なら、予算や常識にとらわれず、推し活部屋でも衣裳部屋でも自由に空間をコーディネートできます。
多くのユーザーが「いいね!」を押して、さらに新しいアイディアが連鎖していったら、実際の商品企画の参考になるかもしれません。
まだ具体的なマンション購入の予定がなくても、メタバース空間をのぞいて理想の部屋作りのヒントを探してみてはいかがでしょうか。
東京建物株式会社
https://www.tatemono.com/
株式会社MetaLab
https://www.metalab.co.jp/
Tokyo Meta Living
https://tokyometaliving.brillia.com/
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TEXT:PreBell編集部
PHOTO:iStock
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