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2022.10.25 Wi-Fiルーターの置き場所は? 性能を引き出して通信速度を上げるおすすめ場所をプロが解説

自宅にWi-Fiルーターを置いたけど、無線LANの電波が安定しない。Wi-Fiルーターの置き場所は部屋のどこがおすすめ? 干渉を防ぐことで通信速度がアップする可能性がある設置場所を、電波に詳しいSo-net社員が紹介します。

Wi-Fiルーターの最適な置き場所は「デバイスの近く」

Wi-Fiの電波は壁やガラスを隔てると弱くなります。そうした問題を防ぐためにも、確認しておきたいのはWi-Fiルーターの置き場所が「普段スマホやPCを利用している場所」に近いこと、または普段スマホやPCを使っている場所とWi-Fiルーターを置いている場所のあいだに障害物がないことです。Wi-Fiルーターは360度方向に電波を飛ばすため、障害物があると、Wi-Fiの電波が反射したり減衰したりして、通信速度に大きな影響を与える可能性があります。

水回り、カバー、情報分電盤、床にじか置きはNG

I high shutter speed photo of a water droplet.

逆に、設置を避けたい場所があります。それは水回り

こんな置き方、していませんか…?

インターネットネコ:Wi-Fiルーターは水回りに置いちゃいかんよ(マンガ:くまみね)

Wi-Fiの電波は水を通過し辛い性質があります。そのため、お部屋の中でも台所や風呂場などからは離れた場所に設置しましょう。室内に水槽などがある場合も、Wi-Fiルーターをすぐ隣に置いたりせず、Wi-Fiルーターと通信機器のあいだに水槽がない環境にする工夫が必要です。
また、最近はWi-Fiルーターを収める収納家具が売られていますが、金属などの材質等により電波の透過を妨げてしまう場合もあるので注意が必要です。
ちなみに、こんな置き方も…×!

インターネットネコ:Wi-Fiルーターにカバーを掛けちゃいかんよ(マンガ:くまみね)

同様に、最近家庭で導入が進み始めている情報分電盤の中に設置される場合にも要注意。

インターネットネコ:Wi-Fiルーターは情報分電盤の中に入れちゃあかんよ(マンガ:くまみね)

配線はしやすいのですが、情報分電盤の場所が家屋の中心になっていない事も多いですし、ボックスのなかに収納することになるため、電波のことを考えるとあまり良い置き場所とは言えません。

また、Wi-Fiルーターを床へじかに置かないこともポイントです。Wi-Fiルーターは360度方向に電波を発信する性質があるため、じか置きしてしまうと電波が床面に反射し、電波の通りが悪くなったり、速度低下につながったりします。同じ性能のWi-Fiルーターでも床や天井など壁面から離れた位置に置くだけで、電波がお部屋に広がりやすくなり速度改善に効果的です。

インターネットネコ:Wi-Fiルーターは床に置いちゃいかんよ(マンガ:くまみね)
インターネットネコ

それでもダメなら中継器の出番

天井に設置するタイプの中継器天井に設置するタイプの中継器

家の間取りやマンションに備え付け設備などの関係で、どうしてもWi-Fiルーターを良い場所に置くことができない……。そんなときに活用したいのが中継器です。中継器とは、電波が届きにくい場合にWi-Fiルーターと通信機器の間に設置することで、電波を届きやすくする機器です。Wi-Fiルーターの死角になってしまうような場所にも、この中継器を設置することで電波が行き渡るようになります。中継機には写真のような天井に設置するタイプの他に、コンセント直挿しタイプや壁掛けタイプ、据え置きタイプなどメーカーから様々な種類が販売されているので、障害物や水回りなど電波を阻害するものを避けながら設置することができますよ。

使っている電波の周波数帯も重要

電波はたとえるなら、声のようなもの。大勢がしゃべっている場所でひとりの声を聞き分けるのが難しいように、たくさん電波が飛んでいる場所では、自分のWi-Fiルーターの電波も受信しにくくなります。そんなときには、5GHz帯の電波を受信するようにしてみるのも手です。

Wi-Fiは2.4GHz帯と5GHz帯の2つの周波数帯が規格として定義されており、自宅のWi-Fiルーターでも、5GHz帯が利用可能なモデルもあります。2.4GHz帯は電子レンジやテレビといった家電製品にも使用されることが多い周波数帯のため電波が干渉しやすくWi-Fiの電波が弱まってしまうことがありますが、電波干渉を受けにくい5GHz帯を利用するように設定することで、通信状態を改善できる場合も。

インターネットネコ:電波が悪い時は5GHz帯につないでみるのだ(マンガ:くまみね)

Wi-Fiルーターや接続するスマートフォンやPC側で、どの周波数帯を受信するかの変更設定が可能です。また、現在販売されているWi-Fiルーターの多くは2つの周波数帯に対応していますが、古い機種だと対応していないものもあるため、この機会に確認し、非対応であれば買い換えを検討しても良いかもしれません。詳しくは以下の記事をチェックしてみてください。

まとめ

以上、通信速度を左右するWi-Fiルーターの置き場所や周波数帯について、そして困った時に活用したい中継器について解説しました。置き場所を少し変えるだけで、快適な通信環境をつくることができるので、ぜひみなさんも試してみてはいかがでしょうか。

So-net ネットワーク三銃士

左からSさん・Iさん・Hさん。So-netで接続サービスのネットワーク設計・構築に携わる。3人ともに、フリーWi-Fiを見つけたら、どんな事業者が提供しているか思わず調べてしまう“電波オタク”。

TEXT:PreBell編集部
PHOTO:くまみね(マンガ)、PreBell編集部

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